NHK教育の『新日曜美術館』(日曜前9・0、再放送=同日後8・0)では13日、開館45周年を今月迎えた大阪府池田市の逸翁(いつおう)美術館を取り上げる。タイトルは「美術館への旅・数奇者 小林一三の美の館」。
阪急、東宝グループの創始者である逸翁(雅号)こと小林一三(1878−1957)のコレクションを現代に伝えるのが、この美術館。建物は小林の旧邸、雅俗山荘が展示場として使われ、創意工夫を凝らした茶室、即庵も著名だ。
所蔵品約5000点の中には、狩野光信筆「豊臣秀吉像」や、「花鳥蒔絵螺鈿(らでん)洋櫃」など、重要文化財15点、重要美術品19点が含まれている。小林は茶人、数奇者として知られ、数々の茶会を開いて、これらの美術品を世に知らしめてきた。
同館では12月8日まで、これらの作品を展示する開館45周年記念名品展が開かれており、番組では俳人の中原道夫が会場を訪問予定。伝統的な日本の美意識である茶道ばかりでなく、電鉄や住宅事業を通して都市生活者のライフスタイルを見つめ続けてきた小林の審美眼にも迫る。