香寿たつき退団会見
あと半年、男役として最高に輝いて最後までがんばります
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「いよいよ退団のときを迎えました。トップまでの道のりは険しかったけれど、目標であり夢だったトップになれたし、充実した日々を過ごせて17年間の宝塚生活に思い残すことはありません。あと半年、男役として最高に輝いて最後までがんばります」
星組トップスターの香寿たつきは15日、大阪のホテルで退団の記者会見を行った。今の心境を晴れ晴れとした表情で語った。
この日の香寿のスタイルは、白のロングジャケットと黒のスパッツ。
まず、宝塚歌劇団の植田紳爾理事長が「彼女は歌劇団の代表として(第2回)中国ツアー公演の重責を見事に果たし、今月はじめに帰国したばかりです。退団は残念ですが、演技力もダンス力もバツグンの実力を十分に生かした最後の公演で、花道を飾って送り出してやりたい」とあいさつした。
サヨナラ公演は、宝塚大劇場で11月22日から始まる「ガラスの風景」「バビロン−浮遊する摩天楼−」(12月24日まで)で、この東京公演(来年2月14日−3月23日)の千秋楽で退団する。
星組トップはこれまで、麻路さき、稔幸と2代続けて退団直後に結婚したが、香寿はこういう。
「いやぁ、希望はありますが無理でしょうね。私は舞台が大好きなので、(退団後も)何らかの形で芸事にたずさわっていきたい。まだ何も決まっていませんが、できれば女優にすすみたい」
香寿は北海道札幌市出身で、昭和61年初舞台。花組→雪組→花組→雪組→専科→星組と組を転々として、昨年11月の東京公演から星組のトップに就任。早くからダンス、歌、芝居と三拍子そろった実力派で早くから期待されていたが、入団16年目の遅咲きだった。
お披露目公演は今春の宝塚大劇場「プラハの春」「LUCKY STAR!」で、わずかトップ2作での退団になる。
今年は6月に花組の匠ひびき、9月に星組の絵麻緒ゆうと、トップ1作だけでの退団が続き、香寿もトップ在任1年半と短いが、「トップになれただけでうれしくて幸せ。トップなるとわかった時点で退団も決断しました」という。
そして、次のように振り返った。
「思い出に残っている作品は、『ベルサイユのばら』の新人公演のフェルゼン、のちの本公演でのアンドレ。『サザンクロス・レビュー』、『エリザベート』のルドルフなどですね。一番衝撃的だったのは、初めての組替えのとき。ダンス中心だった花組から雪組に移り、日本物の大作が続いて苦しかった。でも、今では日本物も大好きだし、歌の世界も広がって、新しいものに挑戦するおもしろさを発見できました。トップになるまで長かったけれど、それは私を作り上げる時間だったんだなぁと思います。いろんな経験が私の今の舞台に生かされているのでよかった」
星組は香寿のほかにも、娘役トップの渚あき、夢輝のあ、朝澄けい、秋園美緒、鳴海じゅん、毬丘智美、高宮千夏の計8人が同時に退団する。
香寿は「時代の変わり目を感じています。退団する人たちはそれぞれの道をがんばってほしいし、残る人たちは一丸となって次代の星組を引っぱていってほしい」とエールを送った。
なお、星組の次期トップは専科の彩輝直が有力視されているが、植田理事長は「有力候補であることは事実だが、まだわかりません」と答えた。
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