厚生労働省の研究班が、生活習慣病の危険性を高めるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の小中学生用診断基準案をまとめた。成人用診断基準は既にあるが、生活習慣が成人化する中、小児期のメタボリックシンドロームが確認されており、病気の芽を小児のうちに発見し、つみ取るのがねらい。さらに検証を加え信頼性を高めたうえで、教育現場などでの活用を目指す。
メタボリックシンドロームとは、腸や肝臓など内臓の周囲に脂肪が蓄積すると、心筋梗塞(こうそく)や脳卒中、糖尿病などになる危険が高まる状態を指す。
その診断基準として成人の場合、ウエストが男性で八五センチ以上、女性で九〇センチ以上を必須条件に、(1)空腹時の血糖が高め(2)血液中の中性脂肪が正常値より高めか、血管内を掃除する善玉コレステロール(HDL)値が低め(3)血圧が高め−のうち二つ以上があてはまること、と定めた。
小中学生用では、男女にかかわらずウエストが八〇センチ以上か、ウエストを身長で割った値が〇・五以上のどちらかの基準を満たした上で、血糖、中性脂肪、血圧の数値は成人より低めにした。成人用との違いは体格と、もともとの正常値の差に考慮したため生じた。
小中学生の肥満は昭和四十年代には、全体の2、3%にすぎなかったが、現在は10%にまで増えているという。背景には、大人と同様、朝食をとらない、高カロリー食を取り過ぎるといった食生活の乱れに加え、運動不足という生活習慣の変化がある。近年の研究で、小中学生にもメタボリックシンドロームが確認されており、生活習慣病の発症年齢の若年化が懸念されている。
研究班の代表、大関武彦・浜松医科大教授は「小児の診断基準があれば、より適切な治療目標が設定できる。小児期は食事や運動の生活習慣が確立する時期。小児期から対応すれば、成人のメタボリックシンドロームを減らすことも可能だ」と話している。
(2006/03/26)