産経新聞社

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドローム+予備軍 中高年男性の半数 厚労省調査

生活習慣改善を

 四十−七十四歳の男性の二人に一人、女性の五人に一人がメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)か、その“予備軍”であることが八日、厚生労働省の平成十六年国民健康・栄養調査で分かった。同年齢層の有病者と予備軍は、計約千九百六十万人にのぼると推計される。メタボリックシンドロームが国民に大きく広がっている実態が、国の調査で初めて浮き彫りになった。

 調査は十六年十一月、無作為に選んだ全国の二十歳以上の男女約三千九百人を対象に実施。日本内科学会などが策定したメタボリックシンドロームの診断基準に沿い、初めて集計・分析した。

 腹囲(ウエスト回り)が、男性八五センチ以上、女性九〇センチ以上で、高脂血症、高血圧、高血糖の三つのリスクのうち、二つ該当する場合を有病者、一つだけ該当する場合を予備軍と定義した。

 男女とも、四十歳以上で有病者、予備軍の割合が高く、年代が高くなるほど高くなっていた。四十歳から七十四歳でみると、男性の25・7%が有病者で、予備軍をあわせると51・7%に達し、女性は有病者が10・0%、予備軍をあわせると19・6%にのぼった。

 また、腹囲が基準を超えている人は、超えていない人に比べ、三つのリスクのうち二つ以上該当する割合がすべての年代で高く、腹囲とリスクの関係を裏付けた。

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 メタボリックシンドロームは健康に黄信号が点滅した状態といえるが、実際には自覚症状が乏しく、「おなかが出てきただけ」と危機感も希薄だ。

 四十歳以上の男性の半分、女性の五人に一人が該当者か予備軍とされた今回の調査結果は、いかにメタボリックシンドロームが軽視されてきたかを物語る。

 最大の原因は蓄積された内臓脂肪。運動不足や過栄養という長年の生活習慣が背景にある。調査結果もそのことを裏付けている。

 例えば、一回三十分以上の運動を週二回以上、一年以上続けている「運動習慣」のある成人は男性で約30・9%、女性で25・8%。三十−四十代だとその割合はさらに低下して10%台。

 また、全エネルギー摂取のうち肉類など脂質からの摂取が25%以上だと「脂質の取り過ぎ」とされるが、該当者は46・4%に上った。実に国民の半数近くが、内臓脂肪蓄積につながりやすい食事内容だった。

 厚生労働省生活習慣病対策室は「重大な結果と受け止めている。予備軍は放っておけばリスクが二つ、三つと重なっていく。栄養の取り過ぎと運動不足による脂肪の蓄積が原因で、生活習慣の改善が必要」と話す。

 厚労省ではすでに、医療費抑制の狙いも込め、平成二十年度からメタボリックシンドローム対策に本腰を入れることを決めている。

 四十歳以上を対象に健診と保健指導を健保組合などの保険者に義務付け、健診で選別したメタボリックシンドローム該当者と予備軍に保健指導を徹底する内容だ。その中身は現在、同省の有識者検討会で議論されている。

 日本肥満学会理事長の松沢佑次・住友病院長は「調査結果は今の日本人の現状を物語る。生活習慣病の予防と改善には内臓脂肪を減らす努力が必要で運動と食生活の大切さを改めて認識してほしい」と話している。(柳原一哉)

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【用語解説】メタボリックシンドローム

 内臓脂肪の過剰な蓄積と脂質異常、高血圧、高血糖などが複合した新しい疾患概念。日本内科学会など8学会が昨年4月に、腹囲が男性85センチ以上、女性90センチ以上を必須条件とし、血圧▽血糖▽血中脂質−の基準を設けた。放置し続けると脳卒中や心筋梗塞(こうそく)などの心疾患、糖尿病などになる危険性が高まる。

(2006/05/09)