生活習慣 改善プログラム始動
「体組成」知って自らコントロール
生活指導を最重点とするメタボリックシンドローム対策。京都市東山区の東山武田病院では、先月から新たに「生活習慣病センター」を発足させた。どんな改善プログラムなのか、桝田副院長らから聞いた。
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病院一階にある同センター。入り口には「生活習慣病予防外来」の看板。チェックリストを基に、まず、「徹底して患者の生活の中身を聞く」(桝田副院長)。
担当医師や管理栄養士、看護師三者がスタッフとして立ち会い、体脂肪や腹囲径をはじめ、血糖・コレステロールなど採血の結果を伝えるパソコン画面を見ながら、スタッフがその人なりの今後の方針を立てる。
場合によって、MRIによる内臓脂肪測定や心臓・血管エコー検査を実施する。「初めにやっておかないと、動脈硬化のリスクがあるかどうかわからない」(桝田副院長)からで、二週間以内に、本人や家族もまじえて生活指導プログラムを設定する。
患者は、検査結果や目標を記入した「マイカルテ」を作り、半年を目安に一、二カ月ごとにチェックを受ける。「自らコントロールするのが、生活習慣病対策の基本ですから」と桝田副院長。薬物療法が必要な患者は、そのまま生活習慣病専門外来で総合的な診療を受けることになる。
企業とも連携したパソコン・カウンセリングも取り入れている。在宅の患者を対象にした生活指導のサポートシステムだ。管理栄養士が患者の自宅に電話し、その人の改善プログラムをベースに、どこまで達成できているかチェック。一方、患者側は、その日一日の食事内容や運動量をパソコンで送り、それをみて管理栄養士がカウンセリングを行うというわけだ。「問題は間食。“減らしていますよ”とはいいますが、京都は、和菓子とか果物のもらいものが多いらしく、知らないうちに過食している」と桝田副院長。
運動療法は、二階の一室。担当医師が患者に見合った運動処方をした上で、健康運動療法士がプログラムを立てる。運動療法の第一が、筋肉をほぐすストレッチ体操。次に主運動として行うのがエルゴメーター(自転車こぎ)とベルトの上を歩くトレッドミル(歩行器具)。あらかじめ心肺運動負荷装置で自分の酸素摂取量を測定しておく。「負荷を徐々にかけていくうち二酸化炭素の排出量が急激に上がった時点が、その人の有酸素運動の目安となる」と今井優・健康運動療法士。最後にまたストレッチ体操。
厚生労働省も、生活習慣病予防に筋力アップを勧めている。「筋力を鍛えることによって筋肉の量が増える。すると筋肉の組成も変わり、ブドウ糖の代謝を促すインスリンが入り込みやすくなるので、インスリン抵抗性が改善される」(桝田副院長)というわけだ。自宅で何かできないかとなれば、椅子(いす)に座って行う「すわろビクス」。あるいは、チューブを使って筋肉を鍛えるレジスタンス運動の「鍛えマッスル」両方のモデルビデオも提供している。
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年齢とともに総摂取量も低下する。その一方で、四十代を境に中年以降は、食事摂取の栄養分などをエネルギーに換える基礎代謝も低下する。さらに筋肉量も落ちてきて、摂取エネルギーを消費することも少なくなるので、肥満を助長し、動脈硬化の危険因子を増やすことになる。最近は、メタボリックシンドロームにつながる内臓脂肪レベルを同年齢の平均値と比較できる「体重体組成計」も登場している。まずは、自分の身体の構造を知ることが肝心だ。
一日に必要な運動エネルギーは、摂取エネルギーの10−15%といわれている。「体重1キログラム当たり25キロカロリーが目安」(桝田副院長)。飽食社会の世の中、摂取エネルギーと運動エネルギーとのバランスが取れていないから、肥満症になる。最近の欧米の研究では、「一週間に1700キロカロリーの運動で動脈硬化の退縮がみられた」(桝田副院長)という。日本人なら、おおよそ毎日三十分のウオーキングで十分だとも。ただし、四日以上休むと効果がない。
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産経新聞社では、官界、メディア、医学界、産業界が一体となった「メタボリックシンドローム撲滅運動キャンペーン」に取り組んでいます。詳しくはメタボリックシンドローム撲滅委員会専用ホームページ(www.metabolic-sankei.jp)に掲載されています。
【主催】メタボリックシンドローム撲滅委員会、産経新聞社、フジテレビジョン、ニッポン放送、フジサンケイビジネスアイ
【後援】厚生労働省、日本動脈硬化学会、日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本肥満学会、日本循環器学会、日本腎臓学会、日本血栓止血学会、日本心臓病学会、日本臨床内科医会、日本歯科医師会、日本歯科医学会、日本歯周病学会、健康・体力づくり事業財団、日本糖尿病財団、日本心臓財団、日本栄養士会、日本製薬工業協会
【メタボリックシンドローム撲滅委員会】◇委員長 松澤佑次・住友病院院長(日本肥満学会理事長)◇委員 春日雅人・神戸大学医学部付属病院長(日本糖尿病学会理事長)、藤田敏郎・東京大学大学院教授(日本高血圧学会理事長)、北徹・京都大学理事・副学長(日本動脈硬化学会理事長)、齋藤康・千葉大学医学部付属病院長(日本肥満学会副理事長、日本動脈硬化学会副理事長)、渡邊昌・国立健康・栄養研究所理事長
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(2006/05/19)