産経新聞社

メタボリックシンドローム

「メタボ」関心高まり 生活習慣病保険を強化 生保各社、医療保障手厚く

 大手生保各社が、生活習慣病に対応した医療保険の販売を強化している。保険金の支払い対象を広げたり、特約で年金を支払うなど保障を手厚くする動きが目を引く。「成人の7人に1人が患者」ともいわれる生活習慣病だが、最近では腹部に脂肪がたまるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)との関連性も指摘されており、関連する医療保険の契約も今後伸びそうな気配だ。(福田雄一)

 高血圧、糖尿病などの生活習慣病は「初期症状の自覚がなく、病気になって気付く」(朝日生命成人病研究所)傾向が強く、最近では若年層まで患者の広がりをみせている。それだけに、生保各社は、早くから生活習慣病に備える医療保険を相次いで投入している。

 大手で初めて生活習慣病に着目した商品を投入したのは住友生命保険だ。平成8年に高血圧などにかかった場合に保険金が支払われる特約「Vガード」を発売したが、8月末までの累計で740万件の販売実績をもち、「保険のニーズが死亡保障から医療保障へ変わりつつある手応えを感じ取っている」という。

 他社も負けていない。第一生命保険は16年から、生活習慣病などを含む病気で身体障害や要介護状態になった場合、生涯年金を払う特約を発売した。業界最大手の日本生命保険も昨年9月から、3大疾病(がん、脳卒中、心筋梗塞(こうそく))に加えて糖尿病や腎不全など代表的な生活習慣病を保障する商品を投入した。すでに9万件を売り上げているが、「メタボへの関心が最近高まっている影響も大きい」という。

 また、従来ではカバーされなかった範囲にまで、保障を広げる動きがみられる。

 朝日生命保険は、脳卒中や急性心筋梗塞(こうそく)を予防する手術を受けた場合、これまで手術給付金しか支払っていなかったが、保険金の支払い対象とした。明治安田生命保険は、加入困難だった高血圧、糖尿病患者でも契約できる定期保険を発売している。

 商品販売だけではなく予防に力を入れる動きも出ている。日生などが出資する健康介護サービス会社、ライフケアパートナーズ(東京)は昨年秋、生活習慣病に関する相談窓口を開設。専門スタッフによる電話相談やホームページによる情報発信に取り組んでいる。

 生活習慣病に対応した医療保険への関心は高いが、普及へ向け気がかりな問題もある。生保各社が保険料を決める際の基準である「標準死亡率」が低下し、来年4月から医療保険の保険料の値上げが予想されることだ。

 支払う保険料がかさめば、家計への負担増も避けられない。実際に商品を選ぶ際には、保障内容に加えて慎重な検討が求められそうだ。

(2006/09/12)