■看護師が常駐 個別に助言 改善プログラム提供
心臓病や脳卒中などを引き起こす危険な内臓脂肪型の肥満、「メタボリックシンドローム」(内臓脂肪症候群)。根絶には、食生活の改善や運動の励行など生活習慣の抜本的な改善が求められる。メタボに悩む中高年に対し、日本生命保険など大手保険会社が、予防・改善の支援サービスを活発化させている。看護師と二人三脚で健康的な生活習慣を取り戻すプログラムなど、取り組みやすさが好評だ。(福田雄一)
≪プロの目で≫
都内に住む男性会社員(39)は先ごろ受けた健康診断で、体重69キロで腹囲94センチ、中性脂肪や血圧の数値も高く、メタボリックシンドロームだと指摘をされた。妻の助言もあり、「何とか健康な体に戻りたい」と一念発起したこの男性は、日生と三井住友海上火災保険などが出資する「ライフケアパートナーズ」が行っているメタボ脱却のための生活改善プログラムに申し込んだ。
ライフケアパートナーズのプログラムは、3日間の体重、食事、運動量などの記録から始まる。利用者はこのデータをもとに、コールセンターに常駐する看護師、保健師と電話で会話しながら、3カ月間にできる目標を設定する。ポイントは「日々の生活で実行できる無理のない目標設定」(米沢麻子・ライフケアパートナーズ企画開発部課長)にあるという。
男性は看護師との会話から「遅い時間に高カロリーの夕食を取る」「運動不足」など日常生活の問題点が、次々と浮き彫りにされた。看護師は男性に「遅い夕食を低カロリーにする」「通勤時は歩く」「エレベーターでなく階段を使う」など改善点を助言した。こうした点を加味し、男性は3カ月後に体重4キロ、胸囲4センチをそれぞれ減らす目標を立てた。
≪報告と点検≫
同社のプログラムは3カ月間かけて生活習慣の改善を図る。利用者は、2週間から1カ月ごとに問い合わせてくる看護師との電話で現状を報告。看護師の点検を受けつつ、目標達成に向けた取り組みを進めていく。
男性は看護師の助言通りに夕食の時間帯やカロリー数を改善。怠っていた運動も、オフィスのある6階まで階段を使うなど少しずつ増やした。
努力が実って、男性はプログラム終了時に腹囲5センチ、体重4キロの削減に成功し、目標を達成した。男性は「体が軽くなった。ぜい肉が取れた感じがする」と語る。
このプログラムは昨年度、利用者の7割が体重減に成功し、腹囲も平均してベルトの穴1個分にあたる1・7センチ縮める成果を挙げたという。
米沢課長は「『誰かが見守ってくれている』という意識が、生活習慣の改善というつらい作業を克服できる」と語る。
≪相次ぐ参入≫
こうした“メタボ予防サービス”に、保険会社の参入が相次いでいる。背景には、健康保険法などの改正に伴って、平成20年度から40歳以上でメタボリックシンドロームの危険性の高い健保加入者への健康指導が義務付けられたためだ。
損害保険ジャパンの関連会社「ヘルスケア・フロンティア・ジャパン」は11月から、メタボ予防支援の生活習慣改善プログラムの提供を始めた。同社は蓄積したデータをもとに、「メタボ予備軍」を対象に生活習慣改善の助言を行う。
また、明治安田生命保険や東京海上日動火災保険もそれぞれ関連会社を設立し、看護師や栄養士など専門的見地の指導を行うメタボ予防プログラムを取りそろえている。利用者にとっても、今後はサービスの選択肢が広がることになる。
(2007/01/05)