■忙しい人も1日置きの速歩きで効果
−−運動もうまくいかずに、薬剤を使うとなると
従来、コレステロールの治療薬としてスタチン系薬剤があるが、これはLDL受容体をたくさん増やす薬効があるので、大型LDLと同時に小型LDLもとらえて、スモール・デンス・LDLの量も減らすことができます。ただ、小型LDLは、中性脂肪に依存しているから中性脂肪が極端に下がらない限り、大型化へ逆戻りできないが、LDLそのものが減るので、危険性は半減します。中性脂肪が非常に高くて小型LDLも減っている状態でしたら、フィブラート系の薬剤もいいと思うが、LDL、スモール・デンス・LDLともコレステロールが高くて、中性脂肪がそれほど高くない場合は、スタチン系の方がよさそうです。ケース・バイ・ケースで選んでいただきたい。
−−スタチンでも中性脂肪を下げられる
一部のスタチン系薬剤、最近登場したクレストールなどのストロング・スタチンでは、中性脂肪を下げ、HDLを増やす効果があります。また、ストロング・スタチンは、スモール・デンス・LDLも非常に強く下げるだろうと期待されています。
−−そのメカニズムは
最近、コレステロールの生成を肝臓で止めてしまうと、実は、VLDLがあまり作られないことがわかってきたのです。つまりLDLの前駆体であるVLDLは、中性脂肪をたくさん含んでいるので、そこをストップしてしまうと、VLDLの生成が下がるのだろうというデータも出てきているのです。
−−薬を途中でやめてしまう人も大勢いる
高脂血症治療薬は、高血圧や糖尿病の薬と同じように、慢性の生活習慣病薬ですから、動脈硬化を予防しようと思うと、これからずっと服用していただくということがほとんどになってきます。服用をやめるという基準はないのです。生活習慣を変えてもなかなかコレステロール値が下がらない人がいて、薬をやめるとまた元に戻ってしまうケースが多いのです。コレステロールを下げるためだけに服用しているわけではなくて、患者さんは、その結果として起こる動脈硬化の脳卒中や心臓病が怖いからです。自分の健康は、自分で守ることを考えなければいけません。
服用したくない人も大勢いらっしゃる。これはこれで非常に健全な考え方で、メタボリックシンドロームでまだとどまっている場合には、それこそ生活習慣を積極的に改善して、薬を服用しないような形にしてあげることが重要です。
−−というと
減量ですね。何といっても減量が一番です。具体的には、適正なカロリーの摂取と運動、これに尽きます。運動も当初30分ぐらいなら血糖は下がりますが、1時間以上続けないと内臓脂肪は燃えてきません。忙しい人は、1日置きの速足歩きでも効果はあります。やせること、その大本は食事です。例えば、一般のサラリーマンで外歩きをよくする人は、理想体重に30キロカロリーを掛けた数値がその人の必要エネルギーとなり、摂取カロリーもそれに見合う数値とする必要があるでしょう。われわれが提唱しているのは、「まず、3キログラムやせましょう」ということです。やせ始めると気分がいい。胴回りもベルト1個縮むと、また頑張ろうかということになるのですね。
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【プロフィル】平野勉
ひらの・つとむ 昭和大学医学部卒業。同大学医学部助教授などを経て平成18年、第1内科教授。日本内科学認定医師、日本糖尿病学会専門医・指導医。専門は糖尿病、脂質代謝、高脂血症。
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□「撲滅運動キャンペーン」に取り組んでいます
産経新聞社では、「メタボリックシンドローム撲滅のためのキャンペーン」に取り組んでいます。詳しくは、メタボリックシンドローム撲滅委員会専用ホームページ(http://www.metabolic−syndrome.net/)に掲載されています。
【主催】メタボリックシンドローム撲滅委員会、産経新聞社、フジテレビジョン、ニッポン放送、フジサンケイ ビジネスアイ
【後援】厚生労働省、日本肥満学会、日本動脈硬化学会、日本高血圧学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本腎臓学会、日本血栓止血学会、日本心臓病学会、日本医師会、日本臨床内科医会、日本歯科医学会、日本歯科医師会、日本歯周病学会、日本抗加齢医学会、日本CT検診学会、日本健康運動指導士会、健康・体力づくり事業財団、日本糖尿病財団、日本心臓財団、日本栄養士会、日本薬剤師会、日本フィットネス産業協会、日本製薬工業協会、サンケイリビング新聞社、扶桑社
【協力】リビングプロシード
【メタボリックシンドローム撲滅委員会】◇委員長 松澤佑次・住友病院院長(日本肥満学会理事長)◇委員 春日雅人・神戸大学医学部付属病院長(日本糖尿病学会理事長)、藤田敏郎・東京大学大学院教授(日本高血圧学会前理事長)、北徹・京都大学理事・副学長(日本動脈硬化学会理事長)、齋藤康・千葉大学医学部付属病院長(日本肥満学会副理事長、日本動脈硬化学会副理事長)、渡邊昌・国立健康・栄養研究所理事長
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ご意見・お問い合わせ・情報等は、郵便もしくはFAXで。《〒100−8079 産経新聞メタボリックシンドローム撲滅実行委員会事務局》(FAX03・3243・1800)まで。
(2007/03/16)