この連載をごらんになる方の多くは、ご自身に心当たりがあるか、ご家族に気になる方がいらっしゃる方々だと思います。近年、遺伝子解析が進み、「肥満遺伝子」なる言葉がメタボリックシンドロームと肩を並べて皆さんの会話に登場していると思います。遺伝的にもそれぞれ異なるために、テレビで紹介されるようなダイエット法を試みても成功する方としない方が出てきます。連載では、どうやったら自分の体を肥満未満に保てるかを考えていきたいと思います。
体重の増減のメカニズムは簡単で、摂取カロリーより消費するカロリーが多ければ体重は減ります。肥満傾向の人は摂取カロリーを抑えるか、消費カロリーを上げればいいのですが、分かっていてもなかなかうまくいきません。当院の肥満外来に来る方の多くは、「そんなに食べていないのに体重が増加している」と言われます。他の人と同じメニューしか食べていないのに自分だけが体重が増えているという内容です。
これは基礎代謝の違いに原因があります。基礎代謝は何もしないで寝ている状態で生命維持に使われる消費カロリーのことで、大部分は筋肉量に比例しています。筋肉量を上げるためには運動が必要です。運動と聞いてため息が出る方が多いと思いますが、スポーツジムに通わなくても自宅でできるスクワットが有効でしょう。立ったりしゃがんだりするだけの単純運動ですが、体の中で最も大きい筋肉である大腿四頭筋の運動は燃焼効率が高いので肥満外来の患者さんには全員やってもらいます。次回はその実践と効果についてお話しします。(自由が丘マナクリニック院長 山口康人)
(2007/04/04)