肥満外来では内服薬も併用します。BMI(体脂肪量を表す指数)35以上の高度肥満の方には、食欲中枢を抑制する薬が保険で認められているからです。空腹感を抑えて摂取カロリーの低下につなげ、体重を落としていきます。ほかには、症状によって漢方薬を5種類ほど組み合わせて使用しています。
海外では代謝を上げる内服薬がありますが、日本ではようやく治験が始まろうとしている段階です。雑誌で売られているサプリメントをすべて試したわけではありませんが、ダイエットをうたうもので有効なものはあまりないと思います。
医食同源−。昔から季節の旬の物を食べることで薬いらず、と考えられていたのでしょう。日本人の平均寿命が80歳以上になったのも、そうした食生活の上に、環境や医療の充実がはかられた結果だと思います。飽食時代の現在は偏食傾向が強く、ビタミン不足を補うためのサプリメント摂取が流行していますが、食生活自体を考え直さないと、平均寿命は上がることはないでしょう。
先日、厚生労働省が子供のメタボリックシンドローム基準を発表しました。ジャンクフード世代には肥満対策が欠かせないため、前回お話しした肥満遺伝子検査がますます必要になってきました。自分がどれくらい糖(炭水化物)の代謝が低いかや、脂質代謝が低いかを知っておくことが重要です。例えば、糖代謝が低いことが分かれば、ご飯の量を減らすことで効率よくカロリーを制限できるからです。情報化時代に自分の基礎代謝データを持つことは当然のことといえます。(自由が丘マナクリニック院長 山口康人)
(2007/05/09)