産経新聞社

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドローム撲滅実行委が発足 座談会

 ≪出席者≫

 日本肥満学会理事長・松澤佑次氏

 日本動脈硬化学会理事長・北徹氏

 日本糖尿病学会理事長・春日雅人氏

 千葉大学副学長・齋藤康氏

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 心筋梗塞(こうそく)など生活習慣病を起こすメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防対策を進める「メタボリックシンドローム撲滅委員会」(委員長、松澤佑次・住友病院長、日本肥満学会理事長)が7月12日、大阪市内のホテルで開催された。委員会では、本質を踏まえた正しい情報の普及やアジア全体に目を向けた展開について話し合った。同25日には、具体的なプランづくりを進める撲滅実行委員会の初会合が東京都内で開かれた。

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 ≪松澤氏、情報提供正しく/北氏、海外学者招待を/春日氏、予防へ実行段階/齋藤氏、歯科領域の声も≫

 春日委員 昨年度の撲滅委員会の活動はメタボリックシンドロームという言葉を一般に知っていただくという意味で、非常に成功したのではないか。2006年度の流行語大賞のトップテンに入るという話題もあった。本年度は言葉の周知から、実際にメタボリックシンドロームの予防が実行段階に入ったということで、実行委員会をつくり、具体的な行動を起こすことは非常にいいと思います。

 国民が健康情報に大きく関心を寄せる一方で、さまざまなメディアが流す情報の信頼性にも論議がある。委員会でとくに大切にしていくべきなのは、エビデンスに基づいた正しい医学情報の提供だ。その本質を広く啓発していくことが、委員会の役割です。

 予防は非常に重要な概念で、国も挙げてメタボリックシンドロームという概念に基づいて、国民の健康づくりに取り組んでいます。腹囲をはかるメジャーがあれば、全国民が生活習慣病などの予防ができるわけで、これは進めていくべき運動でしょう。

 松澤委員長 撲滅委員会が昨年4月から情報を発信しはじめた段階では、全国民から関心を持たれ、メディアと医学界が一緒になった運動でスムーズに進行していました。そこに政府が政策としてメタボリックシンドロームの概念を取り入れた特定健診・保健指導について発表したために、一気に医学の問題だけではない、さまざまな意見が出てきたことは事実です。

 もちろん、厚生労働省の政策は総論ではいいのです。いまだかつてアウトカム(成果)を目的とした医療政策とか、保健政策はなかった。全国民の腹囲が2、3センチ減れば血糖値、脂質、血圧は改善するし、血管病のリスクが下がるであろうことは間違いない。ただ具体的な現場の方法論などに若干問題点もあるので、まだまだ検討が必要でしょう。そこのところを今年の運動では少し意識して、今まで連綿と行ってきた国民への啓発活動である、マスメディアと医療界が一緒になって、さらに充実した活動を続けていくというスタンスはしっかり押さえておいた方がよいと思います。

 北委員 撲滅委員会の活動は格調高く、医療・医学が中心になることがもう根本的な柱であるというスタンスを崩さないことです。

 だから、この委員会から出てくる情報は正しいというような格好に努力を重ねていくのがいいかと思います。実際にはホームページはものすごく大事です。

 WHO(世界保健機関)の調査によると、世界の死因の約30%が心血管の病気であり、しかも、改善するためのターゲットはメタボリックシンドロームで、なおかつアジア地域なのです。1つの非常に強いメッセージがあります。だから、中国、韓国など海外のメタボリックシンドロームを研究する学者らも招待し、「撲滅に向けた」委員会を開催する計画を考えられてはいかがでしょう。アジア地区のリーダーであるという意識を持って考えていただければ、大変ありがたい。

 齋藤委員 実は、最近、千葉県でメタボリックシンドロームの市民公開講座を開いたのですが、その主催団体が歯科医です。生活習慣を守り、メタボリックシンドロームを治療していくときに、歯科の領域である食物が入ってくる最初の関所のところは、非常に大切だという主張で、医師と一緒に運動を展開したいと市民公開講座を開き、非常に盛況でした。撲滅委員会の中にも歯科領域の人たちを、意識するようなことも加味していってもいいでしょう。

 −−実験的にこの9月2日に、岐阜県の歯科医師会と医師会が一緒になって、この撲滅委員会と共催で、松澤先生には基調講演やパネリストとしてご参加いただきます。歯学会と撲滅委員会との関連などについては、今後、少し積極的に進めてまいりたいと考えています。

 松澤委員長 今後、「特定健診」の現場には常々、政府からのトップダウンの情報が入ることが多くなると思いますので、それと並行してこの委員会を通じてわかりやすいメタボリックシンドローム対策の本質を知らせることも大事です。内臓脂肪を測定する機器があり保健指導を行うところで、ものすごく売れているということですが、これは要するにウエストの測定は、ひとつの目安であるということを皆、理解した上で行っているということを示しています。これからも、しっかりとした医学情報を伝えていけたらと思います。

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 産経新聞社では、「メタボリックシンドローム撲滅のためのキャンペーン」に取り組んでいます。詳しくは、メタボリックシンドローム撲滅委員会専用ホームページ(http://metabolic−syndrome.net、metabolic−pro.net)に掲載されています。

 【メタボリックシンドローム撲滅委員会】◇委員長 松澤佑次・住友病院院長(日本肥満学会理事長)◇委員 春日雅人・神戸大学医学部付属病院長(日本糖尿病学会理事長)、松岡博昭・獨協医科大学副学長(日本高血圧学会理事長)、北徹・京都大学理事・副学長(日本動脈硬化学会理事長)、齋藤康・千葉大学理事・副学長(日本肥満学会副理事長、日本動脈硬化学会副理事長)、渡邊昌・国立健康・栄養研究所理事長

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 過去の関連記事はhttp://www.sankei.co.jp/metabolic/metabolic.htmで掲載しています

(2007/08/16)