産経新聞社

メタボリックシンドローム

【目指せ!肥満未満】異常出たら放置せずに

 「人生50年」と言っていた時代はそのまた昔です。現在では「人生80年」といったところでしょうか。

 厄年(やくどし)という言葉がいつごろから言われ始めたかは知りませんが、平均寿命が今よりもっと短かった時代のことでしょう。そのころに40代になると体の調子が悪くなる人が多かったことから、そんな言い伝えができたのかなと想像しますが、この意味で言えば現代の厄年は50代に入る前後ではないでしょうか。それまで健康で何も異常がなかった方が、いきなり高血圧や高脂血症を言われることが多いのは事実です。つまり動脈硬化や代謝異常が認められるようになるのです。

 人間の体はギリギリになるまで異常を示さない臓器が多く、腎臓などは正常の30%まで機能が落ちないと採血検査で異常を認めません。健診の結果が正常値だからといって各臓器が正常な働きをしている保証はないのです。ですから、異常値が出ているならば、それは深刻に受け止めなければなりません。

 どの数値がどんな意味を持っているかを知っていなければなりませんし、異常が出たなら放置せずに治療しなければ健診の意味はありません。メタボリックシンドロームは治療よりも予防に重点が置かれるようになってきました。背景には、生活習慣病になると、慢性疾患は医療費がかかるため、その前に予防しようとする国の考え方があります。

 日本の老人医療は今以上に厳しいものになると想像できますから、生活習慣病予防は個人だけの問題ではなくなっています。老後を充実したものにするためにも生活習慣病予防は、とても大切な時期にきています。(自由が丘マナクリニック院長 山口康人)

(2007/08/22)