■必要量の計算容易に
肥満やメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が増加し、このままでは「長寿国」の座も危ぶまれる日本。健全な食生活を実現させるべく、新しい栄養表示を検討する「食品機能表示研究会」がこのほど発足した。産学官が連携し、わかりやすい表示方法の策定を進めていく。(榊聡美)
肥満は、特に男性が増加傾向で平成17年国民健康・栄養調査(厚生労働省)によると、40〜60代で3割を超えている。また、40〜74歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドロームとその予備軍という結果も出ている。
肥満やメタボリックシンドロームは、命にかかわる生活習慣病を引き起こす恐れがある。一方、国民医療費もふくらむばかりで、3年連続で過去最高を更新し、33兆円を超えた。
「肥満をどうにかしないと、日本は沈没してしまう」
こう警鐘を鳴らすのは、同研究会の発起人である国立健康・栄養研究所、渡辺昌理事長。
カロリーのとり過ぎが原因なのはいうまでもなく、「自分に必要なカロリーを知り、必要なだけ食べる。それ以外に王道はない」と渡辺理事長は話す。
ところが、現行の栄養表示は健康づくりの視点から統一化されていないため、適正な食事を摂取し、体調や健康を維持するために活用されているとはいいがたい。
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そこで、渡辺理事長らが提案するのは、80キロカロリーを1単位と換算し、生鮮・加工食品や外食のメニューなどに表示する方法だ。「80キロカロリー=1単位」は、すでに糖尿病の食事療法にも用いられている。例えば、30〜40代女性の場合、1日当たりのエネルギー必要量の目安は2000キロカロリー。「1日25単位まで」とすることで、食品の表示をもとに1食当たりや、1日の総摂取カロリーの計算も容易にしやすくなる。
カロリーと合わせ、3大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物)の含有量も一目でわかるようなデザインの統一マークを作成する予定だという。
こうすることで、幅広く食と健康のつながりを認識させることができるばかりか、「(限られた)その単位で消費者を満足させる商品を提案できる食品業者だけが生き残っていく」と渡辺理事長はみる。
同研究会は食品メーカーや流通業者など、約200社が参加する見込みで今後、研究プロジェクトを稼働させ、年内には新表示を採用した試作品を発表する予定だ。
誰の目にもわかりやすい栄養表示が「飽食日本」の救世主となるか−。
(2007/09/02)