産経新聞社

メタボリックシンドローム

【目指せ!肥満未満】多くの疾患の基礎病態

 先日、肥満を改善することでがんの発症率を20%低下することができるという報告が、アメリカで発表されました。肥満はがんだけではなく多くの疾患の基礎病態として認められています。中でも糖尿病と心筋梗塞(こうそく)の予防においては最優先される基礎疾患となっています。

 肥満改善のためにウオーキングしていた方が心筋梗塞で倒れ亡くなった、というニュースを時々みかけますが、肥満は早期より動脈硬化を引き起こすと考えなければいけません。肥満そのものは症状がないため、放置されがちです。

 検診で肥満を指摘されたり、減量を指示されたら、すぐにダイエットを始めてください。「肥満は指摘されなかったが高脂血症を指摘された」という方も改善が必要です。コレステロールは血管を維持するのに不可欠なものですが、過剰な場合は血管を傷めます。放置すると、やはり動脈硬化につながってしまうのです。

 高コレステロール血症を指摘されている方は食事や運動でも改善がみられない場合が多く、コレステロールを下げる内服薬が必要になることが少なくありません。毎年コレステロール高値を指摘される方で、ご両親も高コレステロールを認める場合は早期に主治医にご相談ください。

 高血圧や高コレステロール血症は検診で多くの方が指摘されていますが、20%程度の方が治療されているのが現状です。肥満やメタボリックシンドロームは治療も長期にわたる場合が多く、途中で放置される方が年々増加しています。肥満未満が理想ですが、そのための予防はとても大切です。(自由が丘マナクリニック院長 山口康人)

(2007/11/07)