大衆薬市場が縮小を続ける中、一般用漢方薬が好調だ。牽引(けんいん)しているのはメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策を意識した商品で、ヒットが続出。生活習慣病予防の市場では、健康効用の表示を国が認めたトクホ(特定保健用食品)に押されていたが、「東洋医薬2000年の歴史の力」で巻き返しをはかる。(滝川麻衣子)
ロート製薬は30日、昨年11月に発売した漢方薬シリーズ「和漢箋」が発売1年で目標の3倍にあたる30億円を突破したと発表した。年間10億円を売ればヒットとされる大衆薬だけに、相当な人気商品といえる。乾燥肌や憂鬱(ゆううつ)改善など効能別に7種類あるが、なかでも「たまった脂肪を落とす」タイプが売り上げの8割近くを占めるという。
メタボ対策の漢方薬で先陣を切ったのは小林製薬が昨年3月に発売した「ナイシトール85」。初年度の売上高は当初の予測の7倍以上にあたる35億円で、同社医薬品で過去最高を記録。一般用漢方薬の最大手クラシエも「コッコアポ」からメタボ対策を意識したシリーズを6月に発売した。
漢方薬はこれまで「分かりにくい」とのイメージが強く、一般大衆薬の中ではなじみが薄かった。ただ、メタボ市場に特化することで認知度が向上。ロートは「来年から特定健診・特定保健指導がスタートし、いっそう生活習慣病などの予防対策が重視される。漢方への先入観を変える戦略で、そうしたニーズをつかみたい」と話す。
ロートの調べによると、一般用漢方薬市場は平成15年からの3年間で35%増。大衆薬全体が同期間に2%減少しているのとは対照的だ。大衆薬低迷の一因とされているのが、健康効用表示を国が認めたトクホの存在。調査会社の富士経済の調べでは、トクホの市場規模は出荷額ベースで昨年、前年比1・3%増の3492億円。なかでも中性脂肪値改善関連は同24・1%増の687億円と大幅に伸びた。
ただ、製薬各社は漢方薬による巻き返しに手応えを感じ始めている。クラシエでは「医薬品である漢方はトクホに比べて高い効果が期待できる。現代のニーズに合わせたPRで市場は拡大できる」と意気込んでいる。
(2007/12/01)