■日本で多く使用、正しさ認められ安堵感
−−ARB全般に、こうした試験結果が当てはまるのかどうか
ただ、注意しなければいけないのは、大規模臨床試験の結果だけでARBやACE阻害薬がすべてそういう効果があると拡大解釈せずに、それに使われた薬固有のものとしてまず理解されるべきであろうと考えます。テルミサルタンは、最近、糖や脂質代謝をつかさどる遺伝子の発現をコントロールするレセプター(受容体)「PPARγ」を刺激する働きもあることがわかり、心筋梗塞などの抑制作用にも独特の作用を及ぼしているとも考えられるのです。
−−いわゆる臨床試験全般の中で、ONTARGET試験をどう位置づけるか
循環器病の権威、米デューク大学のザウ学長が提唱している心血管疾患の連鎖を示す概念図があります。心血管疾患の始まりは高血圧や糖尿病、最近ではメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)も加えられますが、動脈硬化や心肥大へと進み、心筋梗塞・脳卒中に至ります。生き永らえた場合でも、脳や心臓を修復しようとして逆に状態を悪化させてしまうねじれ現象(リモデリング)も起き、心不全・脳卒中などの再発を来し、脳障害・認知症などを経て最終的には患者の命を奪ってしまうという連鎖です。こうした連鎖のすべてにわたって、悪玉ホルモンのレニン・アンジオテンシン系が関与していることがわかっており、この連鎖を断つにも、レニン・アンジオテンシン系の阻害作用による効果が立証されつつあるわけです。ARBにとっては、今回の臨床試験は、非常に大きな意味があったとも受け取れます。わが国の高血圧の日常診療にとっても、正しさが是認される形となり、安堵(あんど)感が広がっていると思われるのです。
−−メタボリックシンドロームについて
恐らくホルモンのレニン・アンジオテンシン系も原始の時代、食塩をため込むなど命を永らえる役割を負っていたと思われますが、人類の進化とともに血圧を上げるなどの逆作用に転化してきて、飽食の現代、一層きしみが生じてメタボリックシンドロームや生活習慣病が増えていると考えられます。一方、新しく開発された優れた薬を使うことによって病気が回復し始めました。さまざまな薬の効果を大規模臨床試験で確かめることは、発症予防、病気の重症化を防ぐ意味でも大事なことなのですね。
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【プロフィル】檜垣實男氏
ひがき・じつお 大阪大学医学部卒業。米オハイオ州クリーブランドクリニック研究員、大阪大学加齢医学講座助手などを経て、平成12年、愛媛大学医学部内科学第2講座教授。現在、同大学大学院病態情報内科学教授、同付属病院副院長。専門は、高血圧・循環器病学。日本内科学会、日本循環器学会評議員など。
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■「撲滅運動キャンペーン」に取り組んでいます
産経新聞社では、「メタボリックシンドローム撲滅のためのキャンペーン」に取り組んでいます。詳しくは、メタボリックシンドローム撲滅委員会専用ホームページ(http://www.metabolic−syndrome.net、metabolic−pro.net)に掲載されています。
【主催】メタボリックシンドローム撲滅委員会、産経新聞社、フジテレビジョン、ニッポン放送、フジサンケイ ビジネスアイ
【後援】厚生労働省/日本肥満学会、日本動脈硬化学会、日本高血圧学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本腎臓学会、日本心臓病学会、日本血栓止血学会、日本歯科医学会、日本歯周病学会、日本抗加齢医学会、日本CT検診学会、日本人間ドック学会、日本総合健診医学会、日本食物繊維学会、日本内分泌学会、日本プライマリ・ケア学会、日本医師会、日本臨床内科医会、日本歯科医師会、日本栄養士会、日本薬剤師会、健康・体力づくり事業財団、日本健康運動指導士会、日本フィットネス産業協会、日本生活習慣病予防協会、全国保健センター連合会、全国保健師長会、日本糖尿病財団、日本心臓財団、日本製薬工業協会、日本ウオーキング協会、日本看護協会、健康保険組合連合会、日本OTC医薬品協会、日本健康スポーツ連盟/サンケイリビング新聞社、扶桑社
【協力団体】高尿酸血症・メタボリックシンドロームリサーチフォーラム
【メタボリックシンドローム撲滅委員会】◇委員長 松澤佑次・住友病院院長(日本肥満学会理事長)◇委員 春日雅人・国立国際医療センター研究所長(日本糖尿病学会理事長)、松岡博昭・獨協医科大学副学長(日本高血圧学会理事長)、北徹・京都大学理事・副学長(日本動脈硬化学会理事長)、齋藤康・千葉大学学長(日本肥満学会副理事長、日本動脈硬化学会副理事長)、渡邊昌・国立健康・栄養研究所理事長、中尾一和・京都大学教授(日本内分泌学会理事長)
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ご意見・お問い合わせ・情報等は、郵便もしくはFAXで。《〒100−8079 産経新聞メタボリックシンドローム撲滅実行委員会事務局》(FAX03・3243・1800)まで。
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過去の関連記事はhttp://www.sankei.co.jp/metabolic/metabolic.htmで掲載しています
(2008/04/29)