産経新聞社

メタボリックシンドローム

ウッドノート 商業ビルに省エネ提案 需要増にらみ事業拡大

 商業ビルのエネルギー消費量を管理し、二酸化炭素(CO2)排出量の削減策を提案しているウッドノート(東京都新宿区)は、施設管理事業を拡大する。地球温暖化が主要議題になる7月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)後に温室効果ガス削減の取り組みが加速すると見込み、現在50棟の管理施設を平成24年に20倍の1000棟に増やす。自社開発の人工知能を使った遠隔管理システムの活用と企業系列にとらわれない柔軟なシステム構築を強みに、新しい顧客を掘り起こす。

 同社の省エネ支援サービスは、自社開発の人工知能を使った遠隔管理システムを使い、施設の使い方や設備自体の問題点を洗い出す。顧客に対し「3年間で30%の省エネ効果」を目標に掲げ、エネルギー消費削減のための処方箋(せん)を書く。「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)的なエネルギーの使い方をしているビルには、省エネを指導し、設備の欠陥が見つかった場合は、外科治療を施す」(水谷義和社長)

 同社が手がけた長崎のテーマパーク「ハウステンボス」でのエネルギー管理では、1年目に17%、2年目は入場者数が増えたにもかかわらず、同じく17%のエネルギー消費削減効果を実現した。ハウステンボスにとっては「3億から4億円の費用の抑制効果があった」(水谷社長)という。

 ビル管理会社やゼネコン、設備機器メーカー、電力、ガス会社などの子会社が同社と似たビジネスを展開しているが、「中核事業に据えているのは当社だけ」(水谷社長)。

 企業の系列にとらわれず、さまざまな組み合わせのエネルギー供給・管理システムを組み上げることが特徴だ。

 サミット後には、CO2排出量取引に関するキャップ・アンド・トレード制度の導入論議が本格化するとみられている。コンビニエンスストアなどの流通業界を中心に問い合わせが相次いでおり、同社は制度の導入前から、率先して省エネに取り組む動きが加速するとみて、顧客の急拡大に対応できる態勢整備を目指す。

 水谷社長は、竹中工務店に在籍中の10年間で、東京ドームシティ「ラクーア」の企画・設計など、環境配慮型の施設を手がけた。水谷社長は建設中のビルの屋上から街を眺め、「新施設をつくるより、無数にある放置された古いビル群の環境管理を誰かがしなければ」との使命感にかられ、17年8月、数人の同僚とともに起業した。

 「アジア・ナンバーワンのCO2削減請負人」を目標に掲げており、国内で1000棟の施設管理を達成した後は、中国や東南アジアへの進出を目指す考えだ。

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【用語解説】キャップ・アンド・トレード

 温室効果ガス排出量取引の方式の一つ。具体的な削減目標を決め、排出量に上限(キャップ)を定める。この上限をもとに、各企業などに排出量を配分し、実際の排出量との過不足分を取引(トレード)する。環境省や経済産業省などが導入に向け検討を進めている。

(2008/06/02)