年末年始の暴飲暴食で、メタボリックシンドロームの“危機”が高まるこの時季。「内臓脂肪」「高血糖」「高血圧」「高脂血症」の4つの危険因子に有効な「杜仲(とちゅう)茶」に注目したい。「無糖系飲料・健康茶大全2008」によると市場規模は平成17年の38億円から昨年は73億円と倍近くに伸長。特に今年は、飲む+食べる!がトレンドになりそうだ。
東京都江東区「どらっぐぱぱす」東砂店では、昨年末から杜仲茶の棚に杜仲茶鍋のレシピを掲示配布。「食べることで簡単に摂取量が増やせます。鍋ブームもあって主婦に好評。『おいしかった』と感想もいただいている」と唐木大作店長。
一方、江戸川区で「若宮ヘルシー料理教室」を主宰する栄養士の若宮寿子さんは、「ティーバッグを鍋に入れるだけの手軽さ。一般的な茶葉とは違って苦みもなく、調味料や食材の味を邪魔しない。毎日のおみそ汁に入れても家族に気付かれないほどですよ」。昨秋から杜仲茶料理レシピ開発を手がけ、教室でも伝授している。約20人の生徒は夫のメタボや子供の健康を気遣う主婦が中心。「毎日飲んで料理に使ってますけど、20代の娘もダイエットにいいって大歓迎です」なんて、すでにみなさんハマっている様子だ。
取材日のメニューは、煮豚、肉じゃが、鍋、りんごのコンポート。調理法はいたってシンプル。「基本はティーバッグを水から入れ沸騰後弱火10分で取りだすこと。これで成分が抽出できます」と若宮さん。手羽先の鍋を手に、「手羽にたっぷり含まれるコラーゲン合成を促進する作用も、杜仲茶にあるの」と説明。「一石二鳥ね〜」と盛り上がる。
完成後お楽しみの試食。杜仲茶のまろやかでほのかな甘さはしょうゆ味、塩味、砂糖いずれにもマッチし、お肉はさっぱりとうまみを引き出している。「茶色くなっても大丈夫な料理ならなんでもいけそう。レシピは無限大ね」と若宮さん。薫陶を受けた私も、晩酌時にブリ大根を杜仲茶で煮てみたがマイルドで自然な味。芋焼酎をいれたての熱い杜仲茶で割れば、きわ立つ芋の香り…。能ある鷹のような杜仲茶の控えめな味が、日本の食卓を変えるかも!?。
杜仲茶の健康成分ゲニポシド酸の濃度を従来の5〜25倍で抽出する技術で特許取得し、「濃い杜仲茶」(3グラム×30パック1680円)を発売している小林製薬では、さまざまな実験で健康効果を検証している。腹囲85センチ以上のメタボ男性8人にゲニポシド酸を1日108ミリグラム2カ月間投与した結果、CTスキャン面積比較で内臓脂肪が平均6平方センチ減少。中性脂肪の低下とともに脂質代謝が高まる傾向も見られた。血圧正常化の仕組みも、血管周辺の脂肪を減らす作用や血管収縮を抑制する作用など、複数の大学との共同研究で新たなメカニズムが続々解明されている。
杜仲は中国原産。樹皮は漢方薬として珍重されてきたが、木を痛めず生産できる葉からお茶を開発したのは日本だ。主産地の広島県「因島杜仲生産組合」の茶葉を加工販売する「セカンドグリッド」社の溝口義揮社長は、「需要が供給に追いつかない。味が違うといわれます」。
新宿の物産館「広島ゆめてらす」では因島杜仲茶(5グラム×30パック、2100円)が人気だ。「地元飲食店では食べる杜仲茶メニューの開発が盛んになっている。まちおこしへの期待も高い」と溝口さん。
未曾有の不況で明けた今年。杜仲茶で人も町も元気になれば言うことない。(文 重松明子)
(2009/01/06)