韓国で伝えられる「良心的日本人」

【外信コラム】ソウルからヨボセヨ

良心的日本人

 韓国メディアでは、日韓の歴史認識や領土問題に関して韓国に都合良く日本に批判的な見解を示す日本人を「良心的日本人」と呼び、発言をしばしば引用するなど重宝がっている。ノーベル賞受賞者の大江健三郎氏などが代表的存在だ。

 問題なのはこうした人々が広めた韓国にとって都合がいい“日本人のものの考え方”が韓国人の対日観をゆがめ、日韓関係をこじらせているところにある。

 李明博大統領が竹島に上陸し天皇陛下の訪韓に言及して謝罪を要求したところ、日本側の反発が尋常ではないと韓国政府やメディアは驚いている。

 彼らは「日本は右傾化した」などと説明しているが、そうではない。彼らが聞き丁寧に伝えてきたのは、自分たちに都合がいいことを言う日本人の話ばかりだ。

 「慰安婦」問題をめぐり見直しの議論が出ている「河野談話」を出した河野洋平氏が事務所を通じて韓国紙、朝鮮日報の取材に応じ「私の立場に変わりはない」と述べている。同紙は談話が「極右派の政治家」から批判を浴びていると伝えているが、批判しているのは「極右派」だけではない。

 韓国メディアは“良心的日本人”のステレオタイプを脱して日本人の良心を正しく伝えていただきたい。(加藤達也)

2012年9月5日 産経新聞 東京朝刊


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