社員紹介

様々な側面を持つ人間の本質を垣間見られるのが記者の醍醐味

産経新聞との出会いと入社に至った動機を教えてください。

学生の頃からずっと新聞記者になりたいと思い続けてきました。産経新聞の社会人採用を受験し、内定を頂いたのが平成25年9月。当時35歳です。新聞社で働いた経験はありませんでした。

以前は、鉄鋼業界の出版社で、編集の仕事をしていました。小さな会社だったので、記事を書くだけでなく、広告の営業や、書籍の販売をしたこともありました。面接で「本を売るコツは、お客さんの背中をそっと押せばいいんです」などと得意げに話した記憶があります。面接官だった当時の編集局長はそんな話にも真摯に耳を傾けてくれて、「君、新聞記者に向いているよ」と言ってくれました。新聞記者への憧れが強かったので、とてもうれしかったことを覚えています。

産経新聞には、一般的なルートと異なるキャリアや、変わった個性を好意的に捉える社風があるのだと思います。私がこの年齢で新聞記者の一員に加われること自体が世相を物語るニュースのような気さえします。産経新聞のこの度量の深さに最も惹かれました。

現在の仕事内容を説明してください。

京都総局で京都府警を担当しています。昼夜を問わずに起きる事件や事故、火災などを主に取材しています。その日も捜査関係者の自宅前を張り込む夜回り取材を終え深夜2時ごろ帰宅、うとうとしかけた時、携帯が鳴りました。電話の主は、総局で当直に入っているベテラン記者。「民家で女性の遺体のほかにスーツケースにもう一体入っているみたいなんや」。電話を受け、管内の警察署へ車を飛ばしました。結果的に、発生から数日後、母親らを遺棄した死体遺棄容疑で30代の長男が逮捕されました。私が初めて経験する殺人事件の取材でした。事件前に楽しそうに過ごしていた頃の写真と、フードで顔を隠し警察車両で移送される加害者の姿には違和感を覚えました。普通に暮らしていたはずの家族も事件の当事者になる事実を目の当たりにし、底知れぬ人間の怖さを肌で感じました。乳児に後遺症が残る障害を負わせた父親の自衛官が逮捕された事件に心を傷めることもあります。京大の元准教授がわずかな賄賂で職を追われた汚職事件には、「なぜ」という疑問で頭がいっぱいになります。事件を通して、様々な側面を持つ人間の本質を垣間見られるのが事件記者の醍醐味ではないかと思っています。

どのような時にやりがいを感じましたか?

昨年11月、京都市内の小学6年の男児が教師に大麻を吸ったと告白した問題が産経新聞の記事をきっかけに発覚しました。最終的に男児の高校生の兄が大麻所持容疑で捕まったのですが、取材当初は、問題自体が明るみになっておらず、府警側も事件としてまだ立件していませんでした。当然、捜査関係者や教育機関の担当者は多くを語ろうとしません。関係者の1人は、「そのような事実は把握していない」の1点ばり。この関係者の口をなんとか開かせようと、他の機関から事実かどうかの裏付けを取り、数時間後に再度、取材を試みたところ、前言を撤回し問題を把握していることを認めたのです。いい大人が何かを守るという大義のもと、平然と「嘘をつく」と改めて思い知りました。一方で、「世に問うべき問題だ」と取材を後押ししてくれた心ある捜査関係者もいました。京都では一連の報道の後、未成年者に対する薬物問題の教育が強化されました。取材時のヒリヒリとした緊張感とともに、小さくても社会に影響を与えられたと実感できたとき、大きなやりがいを感じました。

受験生へのメッセージ

「ダメ就活生」。そう自分自身を評価している受験生の方もいるかもしれません。私はそんな自信をもてずに就職活動をする1人でした。自己分析をすればするほど負の連鎖にとらわれていましたから。ただ、私にとっては、自分の内側ではなく、外側に目を向けるきっかけを作ってくれたのが新聞でした。新聞に書かれていることが事実かどうかを調べてみたり、興味を持った人物に直接話を聞きにいってみたり、疑問や好奇心を行動に移して文字としてまとめているうちに新聞記者の道に少しずつ近づけたのではないかと思っています。多少でもひっかかりを覚えた記事をインターネットだけでなく足も使ってとことん調べ上げ、新たな事実を掘り起こしたら、就活生ではなく既に立派な記者だと思います。まずは行動を起こしてみてください。

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