社員紹介

記者の役目は、大いなる〝御用聞き〟

産経新聞との出会いと入社に至った動機を教えてください。

実を言うと、大学・大学院生時代を通じて毎日、新聞に目を通す習慣もありませんでした。研究者になるつもりが、大学院時代、国際結婚をしようと考え、「じゃ、就職しないとな」と選んだのが新聞記者でした。記者でもなるか、記者しかないかという意味で、「デモシカ教師」ならぬ「デモシカ記者」ですね。

もともと、中国や朝鮮半島の研究をしていて、選ぶなら、中国や韓国、北朝鮮に対してもしっかり主張している「産経」だなと思いました。いまはNHK記者をしている大学院の同級生から産経の良さを吹き込まれていました(この友人は結局、産経に入社できず)。

朝鮮半島分野の大ベテラン、黒田勝弘さんがいらっしゃったことも大きかった。司馬遼太郎さんの作品が大好きで、司馬さんの出身の新聞社だということも影響しました。

現在の仕事内容を説明してください。

大きく分けて記者としての仕事と編集者としての仕事があります。

これまで築いた政府当局者や民間組織、専門家の人脈を使って日々、特に朝鮮半島の情報収集に当たり、北朝鮮との拉致問題の交渉や核実験など大きな動きがあるときに、北朝鮮の内情を描く記事などを書いています。2014年10月には、日本政府の代表団に同行し、平壌で交渉のもようを取材しました。

いま所属している外信部には、各国の特派員や通信社から24時間、ニュースが入ってきます。週に何日かずつデスク勤務に入り、メーンのデスク(編集責任者)とともに、各国からの記事を編集する業務にも当たります。大先輩の特派員もいて、こちらの責任で原稿を編集するのは緊張しますね。

北朝鮮専門家の大学教授が執筆する「秘録金正日」の編集も担当していますが、北朝鮮の政治・社会構造について深い知識が必要とされ、編集者として勉強の毎日です。

どのような時にやりがいを感じましたか?

やっぱり、1面トップでスクープを書いたときですね。それ以上に記事を読んで感動した、面白かったと読者からの声をいただくとき、自分が書いた記事による問題提起で政府や当局が調査などに動き出したときは、「やっていて良かった」と実感します。

外信部の前は社会部で事件記者をしていたのですが、どの社にも先んじて報道しようとすれば、警察など取材相手との軋轢も生まれます。独自ニュースを書いた日は「内容はこれで大丈夫か」「取材先が激怒しないか」と正直いうと気が気じゃないですね。

「誤報」扱いされた末、他社が1年後になって1面トップで後追いするというケースもありました。特に北朝鮮の内幕に関する記事は、すぐに裏付けを取れるわけでもなく、評価が難しい分野です。「自分が読者なら読みたい記事を書く」という思いと、面白いと言ってもらって良かったということに尽きるのではないでしょうか。

受験生へのメッセージ

必要な情報の9割は、インターネットで拾えるということをよくいわれます。「マスゴミ」という言葉も聞かれます。ただ、ネットをよく見ると、情報源の多くは、報道機関が配信したニュースだったりします。報道機関がなくなれば、皆、言いたいことしか発信しなくなるでしょう。

記者の役目は、大いなる〝御用聞き〟だと思っています。漫画「サザエさん」に出てくる勝手口から来て注文を受ける三河屋さんみたいなものですね。記者は日々、政治家や役人、ときには容疑者にぶら下がって取材します。答えたくなくても、聞かれたら、あからさまな嘘をつくわけにはいかず、渋々答えることが少なくありません。事故や災害、犯罪被害者の遺族に取材するのは辛いことです。だけど、辛さを感じているからこそ伝えなければと思います。涙ながら記者に「ありがとう」と話すご遺族もおられました。

新聞は世界的に斜陽業種で、辛い仕事の方が多いでしょう。それを覚悟の上、「伝えることを仕事にしたい」と思うならぜひ、門をたたいてください。

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