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 <知を楽しむ人のためのオピニオン誌・「正論」>


 オピニオン 6月の入賞者
産経新聞8月5日付朝刊掲載
オピニオンプラザ・わたしの正論

 今回のテーマ「公益と私権−どう調和させるか」に66編(うち女性2編)の応募があり、厳正な審査の結果、入選のほか、3人の方が佳作に決まりました。(敬称略)

《入選》

河合芳典 37歳(愛知県・会社員)
黒崎直史 32歳(新潟市・公務員)

《佳作》

石戸 信平  21歳(千葉県 大学生)
村松 孝徳  60歳(東京都  無職)
渡邉 良夫  76歳(埼玉県 履修生)

【論文を審査して】袴田茂樹
私権の絶対化傾向を批判

 テーマが硬かったせいか、応募数は六十六編とさほど多くなく、また女性は二名だけだった。予想通り、多くの人が成田空港、道路建設などの公共事業問題、憲法と戦後民主主義の問題を論じていた。最近の有事関連法案もこの問題と密接な関係がある。われわれが期待したのは、公益、私権の一方を絶対化することなく、「公益」に名を借りた不合理にも目配りしながら、私権のみを利己的に絶対化する傾向を批判する論だ。

 河合氏は首都圏の道路渋滞と環状線道路の建設の遅れの問題から入っているが、これは私も強く感じる点であり、全体にバランスが取れている。氏は、入賞レベルの投稿の常連だ。黒崎氏は公共事業の用地買収に携わった経験をもとに、観念的でなく具体的に問題を論じている点が高く評価された。同時に個別問題に限定され過ぎており、もう少し大きい視点が欲しいとの要望も出た。村松氏は公益を担うはずの官僚、政治家などの不祥事を批判しながら、少数者の利益が識者やマスコミによって公益視される非を突いている。期待通り目配りのきいた緻密で質の高い論だ。石戸氏は二十一歳の大学生だが、公共事業に関連してしっかりした論を展開している。七十六歳の渡邉氏の論文は、年の功か説得力のある落ち着いた内容だった。

◇ ◇ ◇

《今月のテーマ》

    オピニオン 論文発表





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