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 <知を楽しむ人のためのオピニオン誌・「正論」>




1月の入賞者
産経新聞3月2日付朝刊掲載
オピニオンプラザ・わたしの正論

 今回のテーマ「活字文化とテレビ」に251編(うち女性69編)の応募があり、厳正な審査の結果、入選のほか、次の3人の方が佳作に決まりました。(敬称略)

《入選》

和田健一郎 45歳(盛岡市・私立高校教員)
金廣 顕  20歳(京都府・大学生)

《佳作》

大西 一爾 73歳(兵庫県・無職)
小泉 亮太 22歳(愛知県・学生)
和田 頼子 49歳(神奈川県・主婦)


【論文を審査して】輝いて見える独自の視点
藤原正彦

 活字文化の重要性を語る好論文が多かった。ただ、歴史的視点を含む重厚なものや、活字文化復活のための具体的方策に言及するものがほとんどなかったのは、少し物足りなかった。その中で和田氏の入選論文は、活字文化とテレビの違いを、「意志の存在」で説明するというユニークなものだった。この切り口から、映画や演劇がテレビと同じ視覚文化でありながらテレビよりむしろ活字文化に近い、とする論は意表をつかれると同時に感心させられた。

 金廣氏の入選論文は、若者らしく歯切れのよいパンチのきいたものだった。テレビは個人主義や物質主義や閉塞感を助長する。活字文化こそがテレビによりまき起こされる「暴風」の最適の抑止力、という論はやや粗削りであるものの気合が入っていてよい。

 佳作の中では小泉氏のものが面白いと思った。テレビでははじめから三次元の立体空間が提供されるが、活字文化では、紙面上の二次元空間を頭の中で三次元空間に膨らませる、という操作がひっきりなしに要求される。本の世界と現実の世界の間に横たわるこのワンクッションが想像力と思考力を醸成する。これも見事な視点と思った。その人ならではの視点や言葉がたった一つでもある論文は私には輝いて見える。(お茶の水女子大学教授)

◇ ◇ ◇

《今月のテーマ》

    オピニオン 論文発表





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