お元気ですか。
先日、四谷の居酒屋でひらかれた「米田建三マスコミ懇話会」に初めて出席しました。四、五十人の参加者は主に新聞、テレビ、雑誌などの中堅どころのメディア人で、ほとんどは仕事のうえで、あるいは個人的に米田さん(前衆議院議員)と接点のある人たちのはずです。もう五年も続いているそうです。
この日のゲストは自民党の安倍晋三幹事長でした。ゲストといってもとくにあいさつもなく、お互いに酒を酌み交わし、雑談するといういたって気楽な会でした。幹事長は四度も席を代えて参加者と話し込んでいました。
演説やパーティーでのあいさつは何度も聞いていますが、安倍さんとお話するのは初めてでした。これで三代と言葉を交わしたことになります。いうまでもありませんが、岸信介(元首相)、安部晋太郎(元外相)、晋三(前官房副長官)の三氏です。
残念なのは、だれともインタビューをしていないことです。安部晋太郎夫人、ということは現幹事長の母親ですが、洋子さんにはお話を伺ったことがあります(洋子夫人とのインタビューは「父・岸信介と夫・安倍晋太郎の素顔」と題して『正論』平成五年八月号に掲載しました)。
安部元外相は平成元年五月十五日に順天堂病院で手術し、同三年五月十五日に亡くなりました。お通夜は芝の増上寺で執り行われました。その夜、焼香を終えたあと、増上寺の隣の東京プリンスホテルの一室で森喜朗さんから安部晋太郎さんの思い出を聞きました。
幹事長が私たちの席にきたとき、「おじいさんにお会いしたことがあります」とは、いいませんでした。そのとき、まわりにいたのは若い記者たちで、おそらく岸信介はもちろん、安部晋太郎も見たことがないと思います。そんなことはどうでもいいことですが、若い幹事長に昔話は似合わないと思ったからです。
中曽根康弘さんは風圧を感じた政治家として吉田茂、河野一郎、佐藤栄作をあげています。佐藤栄作は安倍さんの大叔父ですね。そこで、「幹事長が風圧を感じた政治家は?」と聞いたところ、中曽根さんの名前をあげました。風圧を感じる大物に堂々と引導を渡したのですから、安倍幹事長もいずれ風圧を感じさせる大政治家になるにちがいありません。
「正論」編集長 大島信三
| 「正論」平成16年6月号 |
編集長メッセージ
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