
3月の入賞者
産経新聞5月11日付朝刊掲載
オピニオンプラザ・わたしの正論
今回のテーマ「あるべき年金の姿について」に86編(うち女性8編)の応募があり、厳正な審査の結果、入選のほか、次の3人の方が佳作に決まりました。(敬称略)
《入選》
阿部彰彦 49歳(東京都・外資系証券会社顧問)
丸目正広 25歳(神奈川県・学生)
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《佳作》
浅野 秀治 55歳(東京都 地方公務員)
宮澤 勝 44歳(千葉県 高校教員)
山内 司 55歳(愛知県 高校校長)
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【論文を審査して】より広い視点で問題を考察
伊藤元重
年金制度は複雑で分かりにくい。技術的な問題が多いと、どうしても遠慮しがちだ。しかし、年金ほど私たちの生活に大きな影響を及ぼす問題もないので多くの人に自分の生活の問題として関心を持ってほしい。そして世の中の議論を安易に受け入れるのではなく、自分の目線の高さで、年金の在るべき姿について考えてほしい。今回寄せられた原稿は、いろいろな立場の方がそれぞれの視点から年金について論じていて興味深く読ませてもらった。
年金というとどうしても若い世代の負担で高齢者の給付を支えるという一方的な見方に陥りがちだと阿部氏は指摘する。高齢者が子供や孫に経済支援をし、死亡時に遺産が子孫に残されている。そこで若い世代から高齢者へという一方向だけで考えず、「余裕のある老人が自分の子孫を扶助することを年金勘定内部で可能にする」制度を導入する必要があると阿部氏は指摘する。丸目氏は、年金を金銭的な支援という次元だけに押し込めることで問題解決の幅が狭くなってしまうと指摘する。地域社会や家族のあり方にまで踏み込んで考えることが重要であるというのだ。
両者に共通しているのは、年金問題をより広い視点から考えることで解決の幅が広がってくるという点である。全く同感だ。(東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授)
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