
8月の入賞者
産経新聞10月5日付朝刊掲載
オピニオンプラザ・わたしの正論
今回のテーマ「皇室と宮内庁と国民」に126編(うち女性35編)の応募があり、厳正な審査の結果、入選のほか、次の3人の方が佳作に決まりました。(敬称略)
《入選》
バートン四宮惠子 63歳(横浜市・翻訳家)
大山健一 32歳(横浜市・学生)
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《佳作》
奥村 直 70歳(長野県 画家)
村松 孝徳 61歳(東京都 無職)
山内 司 55歳(愛知県 高校校長)
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【論文を審査して】「皇室を大事に」強い思い伝わる
藤原正彦
やや書きにくいテーマであったのか、パンチ不足のものもあったが、皇室を大事にしたいという強い思いがどの論文にもこもっていて好感がもてた。入選作のバートン四宮惠子氏のものは、新渡戸稲造やヤスパースなどを効果的に引用した好論である。特に「人は絶対的愛に裏打ちされた権威に己の意志で従うとき、小さき己から解放されて、より高き世界へと飛翔できる」という一文は印象に残った。
もう一つの入選作である大山健一氏のものは、天皇制がかくも長く存続した理由を、近代国家の原則ともいえる政教分離が早くからなされていたからとする。興味深い視点である。そしてこれに危機が訪れるとすれば、「人」でない天皇が一般人と同じ地位にまで下がった場合と説き、「開かれた皇室」への疑問を呈す。
佳作の中では奥村直氏のものが精彩を放っていた。皇室の現代的意義を、「民主主義の毒を中和する『国の鎮め』」としたのは独創的である。「国の鎮め」という美しい日本語に感心した。また、明治、大正、昭和の天皇には当代随一の賢者たちがおそばにいて、精魂こめてご教導にあたった、として宮内庁改革の方向まで示す。多少の蛇足があり惜しくも入選を逃したが、示唆に富んだものだった。(お茶の水女子大学教授)
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《今月のテーマ》
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