お元気ですか。
平成十六年(二〇〇四年)も残りわずかとなりました。あっという間の一年、というのが例年の感想ですが、しみじみと振り返ってみれば、ことしもそれなりに充実していたように思われますし、そう思いたいものです。年を重ねてきますと、気分もマンネリ化して、とかく人生を単調に見勝ちです。しかし、実際には決して平々凡々の日々ではなく、そこには、他人はともかく、自分にとってはけっこう感動的なドラマもあったはずです。
人様には自慢のできる事柄ではないかもしれませんけれど、小さな喜びや、生きていてよかったと瞬間的にでも感じるようなときは毎年、どこかに必ずあるものです。人はそれを忘れているか、気づかないだけなのです。
快晴の朝、満月、降り注ぐ星座。同級会、同期会、同窓会。自然との出会い、書籍との出会い、美術との出会い。達成感、充実感、期待感。躍動、感動、快感。ときめき、ひらめき。ナイスショット、グッドタイミング。健康、臨時収入、家族。梅、桜、紅葉。ほっけ、くじら、さきいか。故郷、山河、あけび。
ただ、でまかせに言葉を並べてみましたが、小さなしあわせが宿っていそうなところは少なくありません。しあわせな人の定義は、じつにかんたん明瞭です。それは、「自分はいま決して不幸ではない」と思っている人のことをいいます。で、あなたは、いま、しあわせですか。そして、ことしはいい年だったと思うことができますか。
「正論」編集長 大島信三
| 「正論」平成17年1月号 |
編集長メッセージ
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