
1月の入賞者
産経新聞3月1日付朝刊掲載
オピニオンプラザ・わたしの正論
今回のテーマ「あなたが裁判員に選ばれたなら」に68編(うち女性7編)の応募があり、厳正な審査の結果、入選のほか、次の3人の方が佳作に決まりました。(敬称略)
《入選》
川上波留江 36歳(横浜市・服飾業)
多賀 建治 70歳(鎌倉市・無職)
◇
《佳作》
榮 義人 24歳(神奈川県 無職)
手嶋 政洋 31歳(東京都 大学職員)
横山 和夫 55歳(東京都 会社員)
◇
【論文を審査して】国民の悩みに率直に切り込む
土本武司
本テーマは裁判員制度の実施を前提にしたものであるのに、同制度自体を否定視する論稿がかなりあった。情緒的・直感的な気質をもつ日本人にとって、論理性・合理性を本質とする裁判は日常生活から縁遠いものであるからであろう。
同制度を肯定的にとらえる論者も自分自身が裁判員になることに不安や戸惑いを覚えているものが多く、とりわけ同制度の対象となる事件が極刑などに当たる重大事件に限定されていることから、被告人の生命にかかわる判断を下さなければならないことに強い抵抗感が表明された。川上、横山、榮各氏の論稿はそういう一般国民の悩みに率直かつ冷徹に切り込んだ作品である。
反対に、多賀論文は同制度の実施を前提にして裁判員のとるべき基本的姿勢や対応のあり方を具体的に示し、本テーマにつき最も建設的な論旨を展開したものとして好感がもてた。
国としては、一般国民が同制度にためらいを感じていることを深刻に受け止め、四年後の施行までに、同制度の周知徹底を図ることはもちろん、同制度を含めた司法システム全体に関する教育を初・中等教育の段階から織り込むなどソフト面の整備を図ること(手嶋論文)が必要であろう。本審査を担当して手嶋提言の重要性を痛感した。(帝京大学教授)
◇ ◇ ◇
《今月のテーマ》
| |
オピニオン 論文発表
|
|