国籍条項は当然
元会社員・川崎 稔(大阪府寝屋川市・85歳)
〇五年一月二十六日最高裁において、東京都の在日外国人に対する管理職試験の受験拒否は合憲であるという採決がなされ、二審・東京高裁の違憲判決を破棄し、請求を棄却した。原告の女性、鄭香均さんは「控訴して戦う」と憤りの記者会見を行った。しかし日本国家の将来を考えると最高裁の判決は正しいと私は思うのである。
国家公務員は人事院規則で日本国籍を条件とすることを定めており、「公権力の行使や国家の意思形成への参画に携わる公務員には日本国籍が必要」ということを「当然の法理」としているが、地方公務員もそれに準ずる基準を早急に定めるべきである。総務省によると、今年一月現在、外国人の採用を制限する国籍条項を原則として撤廃したのは大阪、神奈川、高知など十一府県、政令指定市は川崎市など十三市となっている。九六年、採用時の国籍条項を撤廃した川崎市が現在採用している一般事務職員は二十二人いるが、十年後には彼らは管理職の適齢期になるのである。
〇二年読売新聞社が中、高、大学五千人を対象に行った「全国青少年アンケート」によると(回答二千九百四十二人)、「日本が外国に侵略されたら」という質問に対し、「武器を執るか、何らかの方法で抵抗する41%」「安全な場所に逃げるか、降参する59%」との回答があった。この調査の全体を見れば、日本の青少年の国家意識がいかに希薄であるかが明白だ。この国家意識のかけらもない青少年が十年後、二十年後には日本の政治経済の中核(約六割)を占めることになる。そして地方都市には民族意識、国家意識の強い在日外国人の管理職が大勢配置されていればどうなるか。周辺諸国の中には正気でない国もあり、その国が突如攻めて来た場合はどうか。そうなった時国家の安泰は守れるのか。国民は安穏無事でおられるのだろうか。
「どうする憲法9条」を見て
倉原善臣(千葉県船橋市・79歳)
一月二十三日、NHK討論番組を改憲派多数と期待して見たが、改憲派と護憲派の意見は噛み合わなかった。自衛権と自衛隊を国民大多数が認めている現在、改憲は当然であり、護憲派は一部の市民派とその同調者と思っていただけに、護憲派の論理の異常さに驚かされた。公明党は改憲ながら9条堅持で加憲を主張、共産党は海外で9条が絶賛されているから護憲との迷論理、社民党代表は領海侵犯、拉致、核疑惑等の隣国に囲まれているのに、自衛権はあるが自衛隊はなくしてゆくとの理解に苦しむ見解を述べ、はたまた、特別参加の老評論家は自衛隊の国際貢献は要らないとしてアフリカでのマラリア制圧をとうとうと述べ、一般参加の老婦人は前の戦争の悲惨さを訴え護憲を叫ぶ。
そもそも、六十年前の戦争はアメリカの地政学的戦略によりおこされたものであり、たとえ戦争を回避できたとしても食料、資源、金融等の経済制裁によって敗戦同様の壊滅的打撃を受けるであろうことを予測し、挙国一致で止むに止まれず戦争への道を走ったものだ。不戦の憲法があつたとしても防ぎ得なかったと思い、戦争の本質をわきまえず不戦を唱えれば戦争はないとしている護憲派に、救いようのない違和感を覚えた。
我ら大正世代は、祖国復興こそ我らの責務として昭和の時代を復興一筋、平成の世となり我らの務め終われりと思ったのもつかのま、憲法、教育その他問題山積、日本の将来に不安を感ずることしきりであり、願わくば後輩諸賢、我ら大正世代に後顧の憂いなからしむべく、なお一層の努力あらんことを望むものである。
産まない女性に支援は不要
会社員・河野和久(千葉市・45歳)
知人に「子育てが大変だ」と何げなく話したところ、「自業自得だろう」と言われて唖然としたことがある。自分の意思で子育てしているのだから弱音をはくな、という意味だとは思うが、それにしてもひどい言われようである。
少子化対策として、一位「女性の社会進出の支援」、二位「子育て費の支援」があげられたアンケート調査があった。三人の子をもつ親の実感として、「子育て費の支援」は十分理解できる。収入が増えない現状で税金が増加し、扶養控除が削られていくのは、懲罰的な気がする。せめて経済的な側面で子育てが不安にならない社会にしないと、少子化傾向は今後も続くだろう。
しかし、「女性の社会進出の支援」は、本当に対策になるのか。働く女性すべてを支援することは、逆に子育て意識のない女性も支援し、少子化を加速することになる。だから、未婚・既婚を問わず子供のいない女性は「少子化を促進している」として、原則は支援を行わない。一方で子育て中の女性、未婚でも子供のいる女性、将来的に子供を欲し努力している女性(個人で不妊治療をしている人など)には十分な支援を行い、経済面での不利・将来への不安を軽減すべきだ。
子育ての苦労は、苦労ではない。とはいえ、大学までの教育費数千万円という現実は、個人の努力で容易に解消できるものではない。子供を欲しくないという女性の意識改革を行い、「日本の将来のため」に産んでもらうのは、個人の主義主張に関与するもので、現実的には困難だろう。それよりも、子供を欲し、子育てをしている女性に経済支援を行い、あと一人ずつ産んでもらう方がはるかに効果的だと思う。
| 「正論」平成17年4月号 |
論文
|