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 <知を楽しむ人のためのオピニオン誌・「正論」>



今月のメッセージ(第106回)(平成17年7月1日)



 お元気ですか。

 暑いですねえ。さきほど、大手町のオフィスから外へ出たら、いきなりむっとする熱気におそわれました。こちらは背広を着て、ネクタイをしめて、重装備の サラリーマン・スタイルですから、たまったものではありません。小泉純一郎首相もクールビズの軽装というのに、まったく野暮な格好で外へ出たものです。

 ちょうどお昼どきであちこちのビルからOLたちが三々五々姿をみせていました。みなカジュアルで、軽装。いかにも健康そうで、足取りも軽快ですね。彼女たち、暑さなど気にもとめない様子でしたが、それぞれお目当てのレストランへ行くのでしょう。

 昼時の大手町界隈は、地上よりも地下街のほうが賑わっています。レストランが、繁盛するかどうかのカギは、おそらく彼女たちが握っているでしょう。そう、女性は怖いのです。そのかわり、女性の支持を得たら、これほど力強いことはないと思います。

 この暑いさなかに臨時増刊の誌面づくりに汗をながしています。若い世代の支持を得たい、と思っています。もちろん、女性の方々にも読んでいただきたいのです。

 終戦60年記念「昭和天皇と激動の時代・終戦編」を七月二十五日に発売します。一生懸命つくっていますので、ぜひ、書店で手にとって見て下さい。一冊八百六十円。値段をはるかに超える価値があると思います。ええ、ほんとですよ。

 たとえば「終戦を目前に散華した二十代青年の遺稿集」は、主に特攻隊員の遺書、手紙、日記、遺詠ですが、すべて昭和二十年に戦死した若者ばかり。もうすぐ終戦というのに敵艦に体当たりした青年も少なくありません。胸がジーンとなります。

 靖国神社の遊就館には、遺族から奉納された花嫁人形が陳列されています。独身で戦死した息子、あるいは弟におくった人形をはじめて見たとき、肉親のせつない心情にふれて思わず目頭が熱くなってしまいました。

 この遺稿集のゲラを読んだあと、外出したのでした。大手町界隈をさっそうと歩いている若い女性たち。花嫁人形ではない、まさしく生き生きとした現代女性。神の奇跡で特攻隊員が現世によみがえっても、とてもまぶしくて彼女らを正視できないだろうと、過去と現在、六十年のへだたりの深さを感じた次第です。

「正論」編集長 大島信三

 「正論」平成17年8月号 編集長メッセージ



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