
7月の入賞者
産経新聞9月6日付朝刊掲載
オピニオンプラザ・わたしの正論
今回のテーマ「死刑制度について考える」に178編(うち女性39編)の応募があり、厳正な審査の結果、入選のほか、次の3人の方が佳作に決まりました。 (敬称略)
《入選》
畑中夕奈 21歳(東京都・大学生)
福長 功 45歳(大阪府池田市・歯科医師)
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《佳作》
相良勇次 25歳(大阪府 大学生)
田中満 67歳(東京都 中小企業診断士)
能口待子 17歳(東京都 高校生)
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【論文を審査して】乏しかった新しい論点
土本武司
死刑存・廃論の対立は論理を超えて価値観の対立であるから、価値選択が異なれば永遠に平行線を辿ることになる。「人を殺した者はその命で償うのが正義である」という価値基準をとれば死刑は存続すべきであり、「国が人の命を奪うことは許されない」という価値基準をとれば死刑は絶対悪であるから直ちに廃止すべきであり、廃止したあとどうするかについて答える義務も必要もない、ということになる。
このように両者は絶対矛盾の関係にあるから死刑を巡る「死刑の抑止力」「誤判」、「国際潮流」、「被害者感情」、「人道・憲法」等のいずれの論点も古くから水かけ論に終止してきた。
応募作品は圧倒的に存置論が多かった。存置支持が80パーセント強の最近の世論を象徴するものである。応募者の年齢層に広がりが見られたが、大学生の一人が入選に、高校生の一人が佳作に入ったことが示すように若年層のこの問題に対する関心が高いことが注目された。
ただ、最近の死刑論は、原理・原則論を超えて「代替刑論」、「執行停止論」等の現実的論議に移行しつつあるのに、それらの新しい論点への切り込みに乏しかった。
これを機に死刑論が国民的議論になることが望まれる。(白鴎大学法科大学院教授)
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