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 <知を楽しむ人のためのオピニオン誌・「正論」>



10月号



靖国は「日本人の心そのもの」
尼僧・鈴木日宣(千葉県八日市場市・44歳)

 戦後六十年目を迎えた今年八月初旬、私は靖国神社に参拝した。「お坊さんなのに何故神社に参拝するのか」とよく聞かれる。そんな時、私は「他の神社はともかく、靖国神社は宗教ではありませんから」とお答えしている。

 昭和二十年十二月、GHQは「神道指令」を発令した。神社は全て「宗教法人法」に組み入れ、拒否すれば取りつぶすというものである。もともと国の定まった儀式やしきたりとして、また国の為に戦った方々や祖先の御霊を「神」として古来の習俗で祀ってきた神道を「宗教」だと勘違いをしていた為、国家や公共の護持から外すことにより、日本人の民族意識の弱体化を計ったのである。今靖国神社は「宗教法人」とついてはいるが、国家から切り離す目的で無理矢理「宗教法人」にさせられただけである。靖国神社には神仏は祀っていない。祀られているのは日本国家の為に亡くなった英霊のみである。つまり「日本人の心そのもの」が祀られているのである。

 参拝の帰り、遊就館に立ち寄った。透きとおった美しい心を持つ御霊の遺影が私達をじっと見ている。比し自分の心のなんと醜いことかと、恥ずかしくなってくる。ある遺書には「靖国神社に面会に来て下さい」とあり、またある遺書には「靖国神社でお待ちしております」と書かれていた。その御霊は全て靖国神社に御座す。宗教ではなく、日本人の心そのものが祀られている靖国神社を国家で護ることは至極当然のこと。枝葉にとらわれ、幹を忘れてはならぬ。

神より偉くなった日本人
大学生・三谷真之(三重県伊勢市・21歳)

 まったくの驚きである。戦後六十年のうちに、日本人は神様より偉くなってしまったようだ。現在、自民党内でも検討されているという、靖國 神社のA級戦犯分祀の話である。この問題で、自分が一番違和感をおぼえるのは、日本人と「死生観」の違う中国人と一緒になって、靖國 神社やA級戦犯を攻撃する日本国内の左翼である。

 まさか彼らは、靖國 神社に祀られている神々を人間の判断で分祀するつもりなのか。彼らは、神より偉いのか…。亡くなった祖先を神として祀る、という伝統的な日本人の感覚からすると、彼らの発言はかなり異常であるといえるのだが…。そういえば「人の心はお金で買える」とは堀江社長の迷言だが、現在の左翼の心情はまさに、「A級戦犯の分祀は中国の圧力で出来る」といったところであろう。

 そもそも、この六十年の間、平和をアメリカから与えられ、個人主義で生きている現代の日本人に、自主独立・東亜解放の大義を掲げ、国のために殉じた先人たちを裁く権利があるとでもいうのか。むしろ、日本国民にとってのA級戦犯とは、「日中友好」という目先の利益のために、日本の伝統文化を破壊し、亡国へと導く左翼の皆様のことであろう。

年金の原資は所得税で
団体職員・仁戸田隆司(大阪府堺市・68歳)

 一時、あれほど騒がれた年金の論議が郵政改革や国会解散などに押されて、今は低調である。しかし、年金に係る論議は避けて通ることができない重要な国民的課題であり、可及的速やかにその理念を明確にし、より良い制度の確立に努めるべきである。

 消費税が導入される際、少子化時代を迎え、年金などの社会福祉の整備に充てるためなどと説明された。また、今も年金の原資不足に消費税率を上げるべきだという主張もあるが、私は全ての公的年金の基礎的原資は、個人所得税の何割かを以って充てるべきであると考える。そのためには、国民年金、厚生年金、共済年金など全ての公的年金を統合し、全ての掛け金を廃止して、その原資を所得税に依拠した新しい形の国民年金制度を確立すべきだ。つまり、掛け金が所得税の中に包含され、納税額に比例して年金の給付額が決定されることとなる。

 何故そうするのか、その理由は、

(1)正確な納税が、自己の将来において還元されることとなるので、国民の納税意識が高まることが期待できる。

(2)現在、社会保険庁が行っている掛け金の徴収事務を廃止することにより、行政経費が節減できる。

(3)何よりもまして、全ての国民が負担と受給について公平感を持つことができる。

郵政民営化反対の理由は
元会社員・為近 務(横浜市・74歳)

 自民党は郵政民営化を公約に掲げて国民の支持を得て来たにもかかわらず、造反議員により法案は参議院で否決された。反対派の理由は小泉首相のやり方が独裁的だとか高圧的だという感情論に終始し、法案の中身にふれる議論は殆どきかれなかったのは、国民の存在を全く度外視したと言われても仕方がないと思う。その上、私怨や権力闘争、既得権を守ること等々が反対の背景としか思えないような議論は、国民にとっては茶番劇としか言いようのない内容が目立った。そして衆議院の解散が決まる前と後とでは反対派の言動は急激にトーンダウンし、狼狽する無様な格好を国民に見せ付けた事を自覚しているのだろうか? 投票時に安っぽいジェスチャーでヒーローにでもなったような態度を取った議員もいたことは、国民を愚弄しているようで不愉快であった。

 今度の選挙では、国民は自分の信念を欠き、国会では感情的に発言し、野次ることや本末転倒の議論に終始した政治家、また確たる政策の発表もなく、政権奪取のチャンス到来とばかり火事場泥棒的な態度を取っている野党に、この国を任せることの危険を十分に認識することが、当面の最重要課題だと強く感じています。

 「正論」平成17年10月号   論文



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