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 <知を楽しむ人のためのオピニオン誌・「正論」>



2月号



原子力と核兵器
元会社員・川崎 稔(大阪府寝屋川市・86歳)

 先ごろ米海軍が、米軍横須賀基地に二〇〇八年から原子力空母を配備すると公表した。それに対し神奈川県や横須賀市などの地元自治体が猛反対運動を起こし、県知事や市長も「核の安全性に不安がある」などと地元住民の反核感情に配慮したのか、原子力空母の配備の撤回を求める声明を発表した。原子力空母が核兵器を搭載し、世界中の海洋を核燃料の廃棄物を撒き散らしながら航行しているかのように思ったか、空母の装備性能も調べもせずに非科学的な幼稚極まる抗議を行った。

 米海軍は今後すべての空母は原子力推進による空母に切り替えるという。通常型の空母はすでに老朽化して、近代戦に使えるような代物ではないのである。日本の電力の大部分を原子力発電所が賄っている時代であるというのに、原子力推進の艦船自体を核兵器と見なすのはナンセンスではないか。核持ち込みを懸念し非核三原則を盾に、進歩的文化人と称する人達は声高く原子力空母の配備反対を唱えるであろうが、彼らはテポドンなどのミサイルを、日本に向けていつでも発射できる態勢にある国が周辺に存在しており、核攻撃も可能であると認識しているであろうか。

 それらの抑止力として原子力空母を配備し、不測の事態に備える態勢をとるのは日米安保条約上当然ではないか。彼らは、中国陸軍総参謀部の朱成虎将軍が去る七月香港で「米国が台湾との紛争に軍事介入するなら中国は米国に対し、核攻撃の用意がある」と恫喝的発言をして、外国記者団を驚かしたのを知っているだろうか。中国は経済成長がピークに達すれば、中華思想をふりかざして更に覇権的行動に出てくるに違いない。台湾への武力攻撃も視野に入れておかねばなるまい。いつまでも中国に媚び、恭順さえしておれば「平和」を保てると考えるのは皮相安易な思考で、大間違いである。

歴史の背景を教える授業を
高校生・佐野?エ迪(神奈川県藤沢市・16歳)

 日本に生まれ育った純粋な日本人であれば、日本国が嫌いな人などいないはずである。しかし、近代日本史の授業では、母国である日本を嫌いになってしまいそうな要素がたくさんある。日本が悪いことをしてきたということばかりを学ぶのである。

 たしかに日本が帝国時代に侵略戦争を繰り広げたということは、まぎれもない事実であろう。しかしその部分だけを強調する日本史の授業は間違いであると思う。日本だって侵略戦争をしたくてしたわけではないはずである。その背景には欧米列強の圧力がかかっていただろうし、侵略戦争をして列強と対等にならなければ、自国が侵略されてしまうという緊張もあっただろう。事実それのみで判断するならば日本は悪であろうが、その事実をひきおこしたきっかけや原因も含めて判断するならば、日本は何も悪いことなどしていないのではないだろうか(日本のすべてが悪ではないとは言いきれないが)。

 結局、近代日本史を教える教員は、「平和を大切にし、戦争を二度とおこさないように」ということを言いたいがために日本の侵略戦争の悪を強調しているのであろうが、それは日本人の愛国心を失わせているようにも思われる。おそらくそういう日本史の教員は、日本が侵略戦争をおこした背景をあまり教えると、日本の悪が薄れて、戦争を美化してしまったように感じるのであろう。しかし若者は、ある部分を強調した偏った授業など受けたくないし、平和の大切さなどは十分知り得ているし、戦争の美化などするはずもない。なので日本史の教育は、事実とその背景まできちんと教えるべきである。平和を教えたいがために日本人の愛国心を傷つけてまでして偏った教育をする必要はない。なぜなら誰だって平和の大切さを知っているからである。

追悼懇の欺瞞
会社経営・松山一美(神奈川県大和市・59歳)

 山崎拓氏や加藤紘一氏等が進めている追悼懇は、一体「誰のために」しようとしているのか? 私には全く理解できない。追悼施設という以上、「死者を偲んで、悼み悲しむ場所」を指しているのであろう。死者を悼むという行為は、真に心に係る事柄であると思うのだが、だとすれば、そこには神や仏という私たちが日常生活の中で、ごく普通に感じているものと共通するものが無くてはならないだろう。議論されている施設は「宗教色を持たない…」というものらしいが、石柱でも建てて国民はじめ訪日した外国首脳にも参拝していただこうと考えているのだろうか?

 中国・韓国からいろいろと言われるから靖国に代わるものをつくろうという、そうした考え方と言動に私は共感を持つことができない。国と国との友好関係の意味を、追悼懇のメンバーは理解していながら履き違えた言動(恣意的に)をしているのだから、これこそ欺瞞というものだろう。

 中国政府筋からの招待を受け訪中して戻ると、彼の国の言い分を“代理発言”している国会議員が何人かいることに、私は以前から苦々しく思って来たが、小泉総理退任後の政界や言論界が、こうした親中派と呼ばれている人たちが跋扈する環境になるのではないかと案じられてならない。今は小泉人気に押されて隠れている親中派議員や学者が、多くいるはずだと思えるからだ。追悼懇の意図するものを論理化しようとしている学者グループに、その臭いが濃厚である。

 「正論」平成18年2月号   論文



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