情報戦は小説だけではない
会社員・冨岡義幸(山口県周南市・48歳)
先進国の中で、日本ほど情報に鈍感な国はない。二月号の特集「情報『貧国』ニッポンの危機」を読んで、この思いを新たにした。日本のように、専守防衛を標榜している国にあっては、どの国よりも防衛情報の収集に努めなくてはならないのに、どの国よりもお寒い情報収集体制だと言える日本が情けない。
中国の潜水艦が日本の領海を潜水航行しているにもかかわらず、ただ見守るだけだと言っても過言でないのが日本の現状だ。北朝鮮で不穏な動きがあっても、アメリカの偵察衛星からの情報に頼っている現状は、とても先進国の情報収集体制だとは言えない。
今回の特集のなかで、「まさに、その通り」と思わず声が出たのは元内閣情報調査室室長の大森義夫氏の「対外情報庁の設立を急げ」だった。政府は、防衛庁を防衛省にすることばかりに力を入れているが、それよりも対外情報庁の設立の方が先ではないのか。
昔の戦争は、いかに強力な武器を手にするかで勝敗が決まったが、現在では、いかに的確な情報をいち早く手にするかで勝敗が決まると言っても過言ではない。最新鋭の戦闘機や戦車、自衛艦を購入することばかりに目の色を変えている日本だが、どれだけの防衛庁幹部が、情報の大切さを認識しているだろうか。
中国の情報機関が、日本の上海総領事館の電信官を女性関係で罠にはめて脅し、機密情報を漏らすように要求し、それを苦にした電信官が自殺した事件を見ても分かるように、まさに、情報戦は、小説のなかだけではない。
教育正常化の障害
会社社長・篠原寿一(埼玉県蓮田市・63歳)
地元教育委員会の傍聴を始めて五年になる。三年前に初めて成人式を参観した時はあまりのひどさに絶句した。体育館の式場には新成人の座る椅子もなく、式典後の懇親会用飲み物が置かれたテーブルがそこかしこにあるばかり。式典が始まっても私語は収まらず、市長や来賓のスピーチの最中も輪になって談笑し、並んで記念撮影をするグループまで現れる始末。それでも誰も注意しなかった。
あまりのひどさに私は何度も市長に手紙を書き続け、二年後の昨年、市は椅子を並べ新成人に着席を求め、ようやく静かな成人式になった。市当局は、新成人のやりたいようにやらせるのが今風の理解ある大人と勘違いしていたのである。
昨年静かな成人式になったのを見届けて、私は、今年の成人式では国歌斉唱することを教育委員会に働きかけた。昨年暮れの教育委員会でそれが議題になった時、昨年から教育委員になった新任二人は式典で国歌斉唱するのは当然との意見を述べたものの、校長経験者である教育委員長と教育長によって、今年は見合わせるという結論に誘導されてしまった。校長の頃、県の指導で式典で国歌斉唱して教職員から非難された。成人式は(新成人を)指導する場ではない。国歌は(新成人が)自発的に歌うものである。市長部局や議員から「何なんだ」と言われる恐れがある、等々が彼らの言い分で、彼ら自身の見識のかけらも聞くことはできなかった。
教科書採択の時もそうだったが彼らは自らの保身を最優先し、しっかりした国民を育てようという気概がない。教育正常化の大きな障害は教育委員会である、と最近私は考えている。
やはり高い高速料金
教員・加島 清(神戸市北区・57歳)
日本の高速料金について、大多数の人は高すぎると感じている。東京から大阪(吹田)まで一万三千九百五十円かかる。単純にこれが安いのか高いのかは分からない。急ぐ人にとっては安いだろうし、のんびり旅行している人には高く感じる。問題は個々の感じ方でなくて、諸外国と現状を比較して判断してみるべきだ。
日本と地形、気候もよく似ているとなりの韓国はどうだろうか。ソウル〜プサン間(四百十キロ)は一万八千百ウオン、日本円にして約千八百円ほどである。同じ距離の東京〜米原間(四百五・八キロ)は八千五百五十円である。その開きは四・七五倍である。もちろん物価や賃金の格差があるので単純な比較はできないが、それにしても高すぎることは事実である。
各国の一キロあたりの高速道路料金を比べてみると、
韓国三円、イタリア五円、フランス七円、アメリカ三円(原則無料)、これに対してわが日本は二四・六円もかかっている。
韓国は高速料金は安いが、その運営維持に多額の税金を投入しているからだという意見があるが、ならば日本はこれだけ料金が高ければすべて自前で運営しているのかと言えば、国から年間三千億円の助成を受けている。一体いくらつぎ込めば黒字になるというのだろう。誰が何と釈明しようが、これだけ高ければ料金の引き下げを求めるのは自然な感情であり正当な行為である。
料金の適正化のために建設用地買収をはじめ、維持管理・保守点検の入札制、公団職員の民営化、天下りの防止など改善すべき点は山ほどある。
民主党の主張する無料化はありがたいが、結局税金での補填につながる。しかし、経営努力によって、今の三分の一程度の料金設定は可能である。ぜひ実現してもらいたい。
※次回から新コーナー「言ったもん勝ち」に衣替えします。初回のテーマは「乱れた日本語」です。詳しくは雑誌「正論」3月号巻末の投稿欄をご覧下さい。
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