
1月の入賞者
産経新聞3月7日付朝刊掲載
オピニオンプラザ・わたしの正論
今回のテーマ、「個人情報の保護の問題点」に44編(うち女性5編)の応募があり、厳正な審査の結果、入選のほか、次の3人の方が佳作に決まりました。 (敬称略)
《入選》
河合芳典 40歳(愛知県・会社員)
渕上清二 57歳(滋賀県・銀行員)
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《佳作》
柏原 陽子 32歳(香川県 主婦)
黒木 巌 74歳(東京都 無職)
柳 伸之介 42歳(大阪府 会社員)
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【論文を審査して】法の適切運用に関心
百地 章
「娘まで 何を聞いても『個人情報』」−。これは今年の第19回第一生命サラリーマン川柳入選作の一首である。事あるごとに「個人情報」だからと過剰反応する最近の世相を皮肉ったものといえよう。
個人情報保護法が制定されて以来、誤解に基づく弊害が各方面にも現れてきている。応募作品も身近な問題から説き起こし、匿名社会の危険をさまざまな角度から指摘するものが多かった。
その中で、審査員全員から高い評価を得た渕上論文は、個人情報保護のためには法による規制以前に倫理性の回復こそが肝要と、問題の核心に迫る指摘を行っている。また河合論文が、情報を共有すべき者の間で情報が共有されず、逆に関係のない第三者に情報が流出していくことこそ問題であると指摘しているのは、極めて正しい。
佳作には、過敏すぎる反応や法の拡大解釈を問題視する柳論文、それに二人の新人の作品を得ることができた。そのうち柏原論文は子供時代から現実社会を体験させるためにも情報との隔離は疑問と説き、黒木論文は、要は心掛けの問題であると、永い人生から得た達観した心境を吐露しておられる。なお澤田公徳氏は、僅差で佳作を逃した。
これを機に、読者の情報保護問題への関心がたかまり、法のより適切な運用がなされることを強く期待したい。
(日本大学教授)
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