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成立寸前! 外国人参政権に潜む日本支配のシナリオ(1)

政治に影響力を持つ在日韓国人と左翼の不気味な動き

ルポライター 三品 純

■姑息で拙速な推進派の手口

「今日は仕事をさぼってこちらの方にやってまいりました」

 定住外国人の地方参政権を実現させる日・韓・在日ネットーワークの一員で川崎市男性職員の司会者がこう挨拶し会場は熱気を帯びていった。二〇〇八年二月八日、参議院会館で開催された「韓国に続いて日本でも永住外国人の地方参政権を求める院内討論会・集会」のことである。当時、著者は「中抜け? ヤミ専従?」と思いつつ場内の雰囲気に圧倒された。支援者をはじめ、国内、韓国メディアも多数で超満員。さらに同院内集会で発言した議員は民主党、公明党、社民党、共産党など十数名が次々、登場し立法化に向けた決意を述べていった。

 その中には「実現の光が見えてきた。一人ひとりが地域の住民として共存することができるよう頑張っていこうと思う」と話す現法相の千葉景子氏の姿もあったから今更ながら政局と時代の変化を実感する。もっとも当時、地方参政権についてはまだ現実味は感じられなかったが、同集会からわずか約二年たらずで状況は一変した。当時、野党だった民主党が政権政党で閣僚の中にも推進派が多数。さらに十二月十二日の『産経新聞』によると民主党・小沢一郎幹事長は同日、ソウル市内の講演会で「来年の通常国会で現実になるのではないか」と立法化について言及するなど現政権の鼻息は荒い。

 だがその前に民主党の上層部や政策担当者に聞きたい。このような国是を二分する問題をなぜマニフェストに明記し堂々とこの問題について国民全体に問わなかった?  推進団体の中核的存在、在日本大韓民国民団(以下、民団)もどこか姑息な感じだ。同団体が製作したパンフレットにはこうある。

「最高裁が『付与』を許容しています。一九九五年二月、最高裁判所が永住外国人への地方選挙権付与は違憲ではないとする憲法判断を明示しました」

 だが判決は「棄却」だったという事実は全く触れておらず傍論を殊更、強調している印象。しかも判決の理由には「許容」という言葉をただの一語も使っていない。拡大解釈を重ねた「脳内判例」が付与の根拠のようだ。

 また「在日コリアン青年連合」が衆院選前の実施した政党アンケートでも「外国人への地方参政権付与の立法化について」という項目に対し、自民党・国民新党が反対を表明し、社民・共産党は賛成。公明党は無回答。社民党については「永住権がなくとも日本に一定期間以上在住する外国人(三年以上)」と大胆な条件を打ち出す中、民主党はと言えば「賛成・反対」の選択なし。その上で「民主党は結党時の「基本政策」に『定住外国人の地方参政権などを早期に実現する』と掲げており、この方針は今後とも引き続き維持していきます」なる補足意見付き。上手く逃げた印象の回答である。その一方で“裏マニフェスト的”な存在である「民主党政策集INDEX2009」にこっそりと書いて唐突にこの参政権問題を突きつけた格好だ。

 もともと民主党は「国民の生活が第一」を掲げて夏の総選挙に勝利したはずだ。昨年末の派遣村での話である。「菅さんは派遣村を視察した時、現政権の大失態だ。政治災害だ、と言っていた」(派遣村運営関係者)。ならばデフレ、遅々として進まない景気政策、二転三転し閣僚の中でも意見が集約されない普天間基地問題などこれは一体、政治のナニ失態、ナニ災害なのだろうか。にもかかわらず現政権から出てくるのは「永住外国人地方参政権」「夫婦別姓制度」などイデオロギー臭が漂う政策ばかり。しかもこうした問題に限っては閣僚や民主党議員らは嬉々として雄弁に語り、ご執心だ。

「永住外国人地方参政権」。この問題について疑義を抱くのは大変だ。推進・賛成派からは「偏狭なナショナリズム」(十一月二十六日参政権院内集会案内文より抜粋)という烙印を押されてしまう。それに対して参政権問題は国会、地方議員、行政関係者らによって手厚く推進されている。

 今年十一月二十一日、川崎市内で韓国・富川市議員を招いて開催されたシンポジウム「過去を変えるな、未来を変えよう」は最たる例だ。表題からすればごく普通の市民交流会かと思いきやその内情はと言うと参政権獲得と従軍慰安婦問題を訴える集まり。川崎も在日コリアンや外国人が多く住む地域。別に内容が「反日」的であってもそれ自体に異議を唱えるつもりはない。問題はわずか四十、五十名程度の地域の集会に千葉景子法相と民主党・川上義博政策審議会副会長・地方参政権対策協議会会長がわざわざ祝電を送っていることだ。

「市民集会のご開催おめでとうございます。この夏、多くのみなさんの勇気のあるご判断で政権交代が行われました。新しい政権のもと、この歴史から未来をもって多文化共生の社会を築くため努力して参ります」(千葉法相) 「第3回川崎、富川市民交流会の開催誠におめでとうございます。関係各位の今日に至るまでのご尽力に心から敬意を表させて頂きます。本日はせっかくお招き頂いておりましたのに、どうしても国会の関係で出席できず申し訳ございません。今集会が私と皆様にとって実りあるものになりますこと、日韓の連帯がさらに深まりますことを祈念いたしましてお祝いの言葉とさせて頂きます」(川上義博参院議員)  通常考える地域の市民集会というより参政権の担当議員が参加まで予定していたというのだから「参政権運動の結束式」の色合いが濃い内容だ。

 一、日本軍「慰安婦」の制度について、法的責任を認め、被害者に十分な補償を行うための立法措置をとること、また、被害者の名誉を二度と傷つけないように、教科書等で教育を行うこと。

 一、日本に定住する外国人に地方参政権を付与する立法措置をとること  このような決議が採択された。

 奇しくも川崎市職員が仕事をさぼってまで司会を務め、今度は川崎市内で法務大臣と担当議員が賛意を示す。「川崎」が一種の着火点となっていよいよ地方参政権の成立の道筋が立ってきた印象だ。

 さらに気になる点がある。この富川市とは零細企業が集まる地域ということだ。韓国では一九八〇年代の民主化闘争に参加した活動家が“偽装就職”し、労働組合を結成したり、市議になったという。いわば同市の市議や労組活動家は拉致実行犯の“辛光洙世代”と言ってもいいだろう。法務委員会で拉致被害者の名前を言えなかった千葉法相がご丁寧にも辛光洙世代が集う富川市議団訪日には祝電を送る。法相は確信犯なのか空気が読めないのか。いずれにしても彼女の視界に日本は入っていないかもしれない。

 続く

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 【略歴】三品純氏
 三品純氏 昭和48(1973)年、岐阜県生まれ。法政大学法学部卒。出版社勤務などをへてフリーのジャーナリストに。「平和・人権・環境」に潜む利権構造や売国性を中心に取材を続ける。