奈良市 勤務医 山中英治 48
13日付「のんびりいこうよ」で医師へのお怒りの様子が描写されていました。確かに医師の冷淡な対応は反省が必要ですが、医師以外に車いすの方を介助するスタッフが診察室にいないことや、5時間も待たせるほど患者数に対して医師の数が足りないことは、さらに深刻な問題だと思います。
医師は患者さんがお待ちの間も、ほかの患者さんを診察しています。休憩も十分に取らずに5時間も診察すれば、疲れもするでしょう。車いす優先も考慮すべきと思いますが、緊急処置を必要とする重症の救急患者さんを、まず優先する病院が多いのが実情です。
医療費削減で病院の経営は悪化し、人件費を増やせないために労働条件も厳しくなっています。急性期病院では、過労とストレスによって、医師と看護師が辞めていくという悪循環に陥っています。結局、障害者や高齢者にしわ寄せが行くことになってしまうのです。
(2006/09/25)