東京都府中市　主婦　高野恵美　４２

　赤羽みちえさんの昨年１２月２０日付「のんびりいこうよ」を読みました。保管されていた手紙の束が出てきたエピソードには、私も強い思い入れがあります。

　亡くなった父は自分も病気を抱えながら、亡くなる２カ月前の入院直前まで母の介護をしていました。今、母は私の自宅近くの介護付き有料老人ホームにお世話になっています。

　母はパーキンソン病です。初孫となる私の娘が歩き始めたころ、母の体調に変化が現れはじめました。外出が不自由になった両親のため、私はせっせと手紙を書きました。遠出はできずとも郵便受けまで行く楽しみを持ってほしかったのです。

　季節の切手を選び、イラストを交え、主に娘の成長をつづったその手紙は、大きな段ボール箱にいっぱいになりました。

　もう受け取る人のいない実家の住所…。娘が７歳のとき、父は亡くなりましたが、両親に届けた手紙は娘の成長記録そのもの。彼女が成長したときに祖父母を思いだしながら読んでくれたらいいなと思い、実家からわが家の屋根裏部屋へ場所を移して、その日が来るのを待っています。

(2007/01/17)