千葉県浦安市 無職 高田寛 64
5日付「崩れゆく支え合い」で、見出しに「離職ドミノ−施設を支える低賃金」とありましたが、まったく同感です。私は県内のある市の施設で5年半パート勤務し、退職しました。
退職の原因は、人件費削減のために単価の高い正職員の残業を減らし、安いパートに残業を強いる施設側の姿勢でした。お年寄りとの交流が途絶えるのは残念でしたが、生活を乱されるのに嫌気がさしたのです。
施設からは市から経費削減を厳しく言われていると説明されました。私の平成13年の時給が920円。去年は運転手手当て20円込みで990円でした。当初はプロの運転手がいた送迎車の運転も、経費削減のために施設職員が行うようになったのです。運転を断ったパートは、契約の打ち切りか、配置転換となりました。
娘や息子のような年齢の若い職員には、「心情は理解できるが、生活ができなくなるから、少しでも待遇のいい勤め場所があったら、さっさと見切りをつけたほうが利口だよ」と勧めていました。大変なのに報われることが少なく、若い人にはちっとも魅力のない職場。それが福祉現場の実情だと思います。
(2007/02/21)