東京都 開業助産師 35
4月16日付の投書「妊産婦も勉強が大切」と、5月2日付の「産む側は希望を明確に」を読みました。
私も第1子を妊娠したとき、通っていた病院で質問をすると、聞く人、聞くたびに違うことを言われました。私は自分の知識や経験で対処しましたが、一般の方は、さぞ混乱されると思います。助産師として、今の私は「妊産婦さんを混乱させるようなことをしていないか」と、日々の言動、行動を考えさせられました。
後の投書は、妊産婦が「産ませてもらう気持ちが強い」との指摘でした。が、背景には、私たち医療者側に「産ませてあげる」という意識があったり、病院の分娩台での出産が当たり前だった時代の母親たちから、今の妊産婦さんに「自分で産み方を考える」ことが伝えられてこなかったことがあるのではないでしょうか。
助産師は、産む女性に「寄り添う」職業だと思います。言いたいことがあっても言えない妊産婦の方たちの気持ちをくみ取り、「はっきり言えないあなたが悪い」のではなく、言うことのできない気持ちを引き出す努力も大切なのだなあと、改めて再認識した2通の投書でした。
(2007/05/16)