東京都杉並区　細谷信生　６２

　７月１６〜１８日付「がんと向き合う−阻害するドクターハラスメント」を読んで、ぜひ、定期的に取り上げてほしいと思いました。知人が昨年１１月に脳梗塞（こうそく）で倒れました。運ばれた病院の医師がひどいドクハラだったそうで、奥さんに「直る見込みはありません」といったそうです。リハビリに取り組んだところ、急速に動きが良くなったので喜んだら、「これは、回復ではありません。勘違いしないでくださいよ」と冷水を浴びせられたそうです。

　転院先では、医師と看護師がリハビリの際に汗だくになりながら体を支えて、「もう一歩、歩きましょう」と声をかけるなど、献身的に取り組んでくれて、回復も進んでいるので、なおさら前の病院の医師の仕打ちが口惜しい、と涙を流していました。

　人間の心をどこかに置き忘れたか、医師になる勉強だけで本来の治療の何たるかを学び忘れたのか、患者が人間であることを教えないのか、医師育成システムに根本的な欠陥があるのではないでしょうか。

(2007/08/06)