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温かな特養の方々に感謝

 大阪市 パート 山口佐江子 67

 母を昨年2月に96歳で、父をその3カ月後に91歳で見送りました。10年にわたる介護でしたが、2人を一度にみることは、私にはどうにもならず、父を特別養護老人ホームに入所させていただきました。待つこと1年半で入所、約5年半お世話になりました。

 今月8日付「我慢するしかなかった特養」や7月の有料老人ホームの連載などを読み、父のいたホームとの違いに驚いています。私は認知症の母の介護をしつつ、ヘルパーさんをお願いして、半日は働きに出ていましたので、ホームに頻繁に行くこともできず、良い身内とは言い難い存在でした。ですが、父がお世話になったホームに不平も不満も感じたことはなく、いつも感謝の日々でした。

 父は最後の数カ月、入退院を繰り返し、ホームで亡くなりました。家に連れ帰ることも考えたのですが、ホームでターミナルケアをしてくださったのです。亡くなる前の数日間は終日、ホームにいたこともあり、職員の方の働きぶりも間近に拝見し、皆さんがきびきびと立ち働いていたのが印象に残っています。

 父の通夜には、父の介護に携わった約10人の職員の方がお別れに来てくださり、とても感動しました。父がホームでいかに過ごしていたか、大切にされていたものだなあと、涙が止まりませんでした。

 高い入所金を払ったわけでもなく、付け届けをしたこともなく、月の費用は父のわずかな年金に足したくらいでした。

 介護される側とする側のそれぞれの思いはあるでしょうが、大変だということに変わりはないはず。私もこの10年へとへとになりましたが、見送った後、もっと優しくしてあげたら良かったと後悔ばかりです。誰もが行く道なんだなあと、今では父のお世話になったホームでたまにボランティアとして、できることをさせてもらっています。

(2007/08/28)

 

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