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優しい言葉の裏に…

 大阪府 女性 85歳

 私は現在、1人暮らし。姉は昨年10月、88歳で亡くなりました。亡姉は平成10年1月に脳梗塞(こうそく)で倒れました。病院を3カ月ごとに転々とし、老人ホームに移れといわれるままに、有料老人ホームに入居しました。

 特別養護老人ホームの方が安いと聞き、5カ所申し込みましたが、どこからも入所の通知をもらえませんでした。

 有料老人ホームの入居金は3000万円、毎月の利用料は30万円でした。よい所でしたが、とても遠くて見舞いが不便だったので、5年後に知人の紹介でケアハウスに移りました。そこでは、入るとすぐオムツにさせられ、ある日訪ねると縛られていました。

 それで、自治体の窓口などで相談し、「良い所らしい」と聞いた有料老人ホームにやっと入所できました。ところが、死期が迫ると「入院せよ」と強く言われ、仕方なく救急車で入院しました。1週間後、病院から退院するように言われたのに、ホームに受け入れを拒絶されました。

 なぜ帰らせてもらえないのかと交渉している間に、姉は病院の個室で、1人で死亡しました。ホームでなら、なじみのヘルパーさんたちに看取ってもらえたのに、さぞ悲しかっただろう、無念だっただろうと、悲しみにくれています。

 姉の所持金約7000万円は、2年前にゼロとなり、亡くなるまで、私が毎月20万円を出してきました。費用の安い特養があるからと安心している人が多いようですが、希望者が多く、思い通りには入れません。姉のように、待っている間に命がなくなります。

 利用できない者は、仕方なく有料老人ホームに入居するのです。不満があれば、訴える先は自治体です。しかし、民間契約なので、ホームに指導はしても強制力はないとのことでした。

 私は自宅で看取(みと)ってもらえたら一番よいかと考えていました。しかし、友人から有料老人ホームに入ろうと誘われ、見学後、「もう残り少し」との会社の口車に乗り、手付金50万円を払って契約しました。ところが、ホームを経営する会社が赤字だと分かり、契約書にも問題があったので、弁護士を依頼しました。年を取ると、優しい言葉でうっかり行動して、悲しいことばかりに出合います。

(2007/08/29)

 

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