東京都 主婦 50
昨年、母を膵臓(すいぞう)がんで亡くしました。闘病生活を振り返り、家族はもとより、医師らが本人を理解することがいかに大事かを痛感しています。母のがんは体調不良から偶然見つかりました。告知するかどうか悩みましたが、母の性格を考え、結局、知らせないことにしました。
結果として、母は苦しまずに逝ったのだと思います。病院側も協力的だったと思います。体調が悪くなると、抗がん剤の量も調節してくれるよう要望もし、その通りにしてもらいました。
ただ、綱渡りだったことは事実で、いつ母が知ってしまうか、ひやひやし通しでした。悪気がなくても、不用意な一言で知ってしまうかもしれなかったからです。
そういった意味では、医療者の言葉ひとつで闘病生活がうまくいかなくなる危険性も感じました。がん患者やその家族への精神的なケアの必要性を強く感じています。
私の場合、母ががんと知ったとき、頭が真白になりましたが、医師から「奇跡はあります。希望を持ってください」といわれたことで、われに返り、母と向き合えたのだと思ってます。
(2007/09/03)