産経新聞社

ゆうゆうLife

考えさせられた特養入所

 埼玉県富士見市 主婦 51

 1〜3日付「特養に入れない!!」を拝見しました。わが家の義母(80)は今年5月に特養に入りました。入所までには、考えさせられることが多々ありました。

 義母は平成14年に脳血管疾患で倒れました。当初から要介護5で、住宅や人手の問題もあり、自宅には戻りませんでした。

 救急病院、リハビリ病院、医療療養病床、介護療養病床にお世話になりましたが、介護や医療の制度がよく変わり、「半年先はどうなるのか」と、常に不安でした。

 特養は待機者が多い上に、義母は経管栄養だったので、申し込める施設は非常に少なく、相談に出向いても無駄足になることがよくありました。

 しかし、だめでもともとと、8つの特養に申し込みました。途中、電話で様子を尋ねてくださったのは3カ所。ほかは順番を尋ねても、親身な対応とはいえませんでした。中には、申し込んだのに、申し込みはないという特養もあって、腹が立ちました。

 今の特養は「経管栄養を胃ろうにするなら」という条件付き。本人や家族と十分に話し合いました。入院先で胃ろうの手術を頼むと、手術後は系列の病院に移るように言われました。

 転院先はティッシュペーパーが1箱500円もし、何かと営利に走る姿勢が目につきました。医師には「なぜ親を老人ホームに入れたいのか」といわれ、苦しかったです。少ない選択肢から、本人や家族に最善の方法をと、考え抜いた末の選択でしたから。救いは病院と、現在入所している特養の相談員の方の存在でした。

 私たち以上に大変な思いをされている方々のことを思うと、何とかして、社会が少しでも良い方向に動いていくことを願うばかりです。

(2007/10/24)