産経新聞社

ゆうゆうLife

がん5年生存率に疑問

 長野県 主婦 35

 私は、がん患者の家族です。もう長い間、いろいろなことと闘いながら、がんとともに生きています。

 日ごろ、がんについて疑問に思っていることがあります。それは、5年生存率のことです。5年生存率は医学的には重要な目安なのでしょうが、患者にとっては、そんな確率で自分の生き方を割りきれるようなことではないのです。

 先ごろ、全国のがん拠点病院の5年生存率が発表されました。治療に地域格差のあることが分かっても、高い病院を受診できるわけでもありません。

 誰もが自分にあった効果のある治療を受けられるわけではないのです。確率論をもって、治療の方針を決めるのではなく、患者の生活の質をどう維持するかに目を向けることが大事なのではないでしょうか。

 私の家族は、今のところ、運良く、治療に巡り合えていますが、医療に「運良く」なんてことが、あってよいのかという気がしています。

(2007/10/24)