産経新聞社

ゆうゆうLife

がんと共存する道

 東京都 医療コーディネーター 42

 私は検診機関の医療相談員やがん相談窓口の医療コーディネーターとして、患者さんと医師のかけ橋となってきました。そうした立場から、がん治療のあり方に私見を述べたいと思います。

 ひとつは、大病院やがん専門病院にも治療の限界があるということです。しかし、治療に限界があるとされても、あきらめることはありません。むしろ、そうしたときこそ、今後の生き方、がんと共存する道を探る方向に頭を切り替えると、自然と道は開けると思います。

 がんになれば、無理してでも、専門病院に頼りがちですが、治療の方針さえ、しっかり立てられれば、地域の開業医に協力を求めたり、在宅で医師や看護師の訪問を受けながら、日常生活を送ることが可能です。

 私は20年にわたり、医療現場を身近に見てきましたが、生と死は隣り合わせだと痛感しています。これは、がんに限らないことで、そう考えれば、死をいたずらに恐れず、生の質を少しでも良く保つことを心がけることが大事ではないかと思います。

(2007/11/14)