産経新聞社

ゆうゆうLife

適切な在宅ケアもっと

 大阪府寝屋川市 主婦、森景子 77

 「なんくるないさ 沖縄と緩和ケア」(10月30日〜11月1日掲載)を読みました。在宅で最後を迎えるために適切な緩和ケアを受けられた人が取り上げられており、本当に良かったと思います。

 私も、長く脳梗塞(こうそく)を患っていた夫を、本人の希望どおり、長く入院させることもなく、自宅で最後まで一緒に暮らしました。

 夫は4年前に発病し、左半身が不自由になりました。私が病気治療をしていたとき、一時入院してもらいましたが、同室の方々の多くが寝たきり。それを見て、このまま入院させたら、衰えが早いと判断し、本人と子供と相談したうえで、尊厳死を主治医に宣言し、在宅療養をすることにしたのです。

 住宅を娘の家族と二世帯住宅に改築し、以降、リハビリに通院するほかは、訪問看護を受けながら、デイケアとショートステイをうまく利用し、時にはこちらも介護を休みながら、4年間、在宅療養を続けました。

 ただひとつ心残りだったのは、2年前に保険適用となった脳梗塞の治療薬「tPA」のことです。これが、夫が倒れた4年前に使えたら、夫の後遺症が少なくて済んだかもしれないと思うこともあります。

 今度は私の番です。私も夫も高知県出身で、田舎には家もありますが、娘がいる大阪でこのまま住み続けたいと考えてます。

 記事にあったように、適切な在宅ケアをみんなが受けられるように、医療機関や地域の格差が早くなくなってほしいと思います。

(2007/11/14)