産経新聞社

ゆうゆうLife

家族で助け合う在宅ケア

 大阪府東大阪市 生け花教室講師 38

 「がん患者が使えない介護保険」(12月3〜5日掲載)を読みました。母は今年5月、卵巣がんで亡くなりましたが、多くの人の早め早めの対応で介護保険を利用し、自宅での看取りができました。

 母は卵巣がんが2年前に再発しました。亡くなる1カ月前、目が離せなくなり、主治医から在宅ケアをしてくれる診療所を紹介されました。同時に看護師さんから介護保険の申請を勧められました。

 翌日、市役所に行きますと、「介護サービスは、書類を提出した時点で受けられるので、ケアマネジャーに相談を」と言われ、すぐに訪問入浴、電動ベッドの手配をしてもらいました。

 がんの進行は早く、トイレにも立てなくなり、介護関係の会社に電話したら、休日なのに手配してくれ、翌日にはポータブルトイレが届きました。病状が進んだ後は訪問看護に切り替え、お医者さんと連携で酸素吸入や点滴の手配をしてもらいました。

 母は亡くなりましたが、在宅ケアを受けてからは、常に誰かが母に寄り添い、手を握ってあげて、最後まで良い自宅療養ができたと思います。家事を支えてくれた夫、私の仕事の間、助けてくれたおばやいとこ。夜中にたんの吸引をしてくれた父と兄。家族が無理なくかかわり、すべてがうまく回転して、在宅での看取りができるのだと感じます。

(2007/12/18)