産経新聞社

ゆうゆうLife

難しい申請のタイミング

 静岡県三島市 会社員 45 

 3〜5日掲載「がん患者が使えない介護保険」を読みました。家内は11月26日、卵巣がんで45歳で亡くなりました。記事通り、末期がん患者の介護保険利用は、申請のタイミングが難しいことを実感しております。

 家内は卵巣がんが昨年10月に再発し、化学療法を続けました。今年7月には「予後月単位」の宣告を受けましたが、8月になっても積極治療の姿勢で病気に立ち向かいました。

 腹水の増加で平坦(へいたん)なベッドでは楽な姿勢が保てず、特殊寝台の手配を、インターネットで調べていて、介護保険が利用できると知りました。

 さっそく、8月23日に介護保険を申請。介護認定に先立ち、ケアマネジャー経由で、9月1日から特殊寝台をレンタルすることにしました。しかし、その間に発熱と嘔吐(おうと)がひどくなり、8月30日から再入院となってしまいました。

 腸閉塞(へいそく)およびがん性腹膜炎で積極治療を断念、入院による緩和ケアに専念し、その後退院することなく、旅立ってしまいました。

 わずかな外泊許可、外出許可で特殊寝台を利用しましたが、費用を介護保険でみていただくには、「要介護2」の認定が必要とのことで、結局、特殊寝台は実費負担せざるを得ませんでした。

 家内は、私が申請した時点では自分で歩くことができました。申請後は、役所やケアマネの方に尽力いただきましたが、介護認定が役に立つことはありませんでした。

(2007/12/19)